針尾駐屯地

針尾駐屯地

針尾駐屯地（はりおちゅうとんち）は、かつて長崎県佐世保市の針尾島に所在した陸上自衛隊の駐屯地です。現在はその跡地にテーマパーク「ハウステンボス」が建設されています。

概要

針尾駐屯地は、警察予備隊発足当初から自衛隊の規模拡大期にかけて、多くの部隊が駐屯しました。特に、第10連隊や第64連隊など、後の陸上自衛隊を支える重要な部隊がこの地で編成され、各地へと展開していきました。駐屯地閉鎖後、その跡地は長崎県に払い下げられ、工業団地としての利用が計画されましたが、企業誘致はうまくいきませんでした。その後、この広大な土地はテーマパーク「ハウステンボス」の建設に利用されることになり、1992年に開園しました。また、隣接地には米海軍の針尾住宅地区が存在します。

所在地

現在の住所は、長崎県佐世保市ハウステンボス町1-1です。かつての住所は、東彼杵郡江上村針尾でした。

沿革

大日本帝国海軍時代

1922年（大正11年）12月：針尾無線塔の運用が開始されました。
1943年（昭和18年）：佐世保海兵団の第3海兵団（針尾海兵団）が設立されました。
1945年（昭和20年）3月：海軍兵学校針尾分校が開校しました。

アメリカ軍による接収

1945年（昭和20年）：終戦に伴い、駐屯地はアメリカ軍に接収されました。

厚生省佐世保引揚援護局

1945年（昭和20年）10月～1950年（昭和25年）4月：厚生省佐世保引揚援護局が敷地内に設置され、浦頭埠頭に上陸した引揚者の収容施設として使用されました。

警察予備隊針尾駐屯地

1950年（昭和25年）9月4日：旧海軍佐世保第3海兵団（針尾海兵団）跡地に、警察予備隊針尾駐屯部隊が設置されました。
1951年（昭和26年）
5月1日：警察予備隊第64連隊が編成完結。第10連隊編成により、第3大隊が針尾駐屯地に配置されました。
9月30日：第824救急病院が設置されました。
1952年（昭和27年）
1月19日：第10連隊第3大隊（針尾駐屯地）が第12連隊第3大隊に改称されました。
1月23日：第10連隊本部及び第1大隊が福岡駐屯地から移駐しました。
7月7日：第10連隊が大村駐屯地に移駐しました。

保安隊針尾駐屯地

1952年（昭和27年）
3月20日：第64連隊第3大隊が久留米駐屯地に移駐しました。
10月10日：第64連隊第4大隊が久留米駐屯地に移駐しました。
10月15日：針尾地区病院が開設されました。
11月22日：独立第32特科大隊及び独立第81特科大隊が新編されました。
12月3日：第64連隊主力（第1、第2大隊欠）が久留米駐屯地に移駐しました。
1953年（昭和28年）
10月15日：独立第32特科大隊が郡山駐屯地に移駐しました。
11月20日：独立第81特科大隊が浜松駐屯地に移駐しました。

陸上自衛隊針尾駐屯地

1954年（昭和29年）
7月1日：陸上自衛隊へ移管。第64連隊が第4特科連隊に称号変更されました。
7月5日：第8新隊員教育隊が編成完結しました。
10月15日：第3特科群第114特科大隊が新編されました。
11月5日：第4特科連隊第1大隊が久留米駐屯地に移駐しました。
12月30日：第4特科連隊第2大隊が久留米駐屯地に移駐しました。
1955年（昭和30年）10月21日：第8新隊員教育隊が相浦駐屯地に移駐しました。
1956年（昭和31年）
1月25日：第8特科連隊第3大隊が針尾駐屯地において編成完結しました。
1月30日：第8特科連隊が久留米駐屯地から移駐しました。
1957年（昭和32年）
3月29日：第8特科連隊が北熊本駐屯地に移駐しました。
8月1日：針尾地区病院が閉鎖されました。
9月2日：針尾駐屯地は相浦駐屯地に統合され廃止されました。駐屯していた第114特科大隊は同日に新設された玖珠駐屯地に移駐しました。

駐屯していた部隊

第64連隊主力（第1、第2大隊欠）：1951年5月1日～1952年12月2日。久留米駐屯地に移駐。後の第4特科連隊（現：西部方面特科連隊第4大隊など）の母体となりました。
第10連隊：1951年5月1日～1952年7月7日。大村駐屯地に移駐。（後の第10普通科連隊、第16普通科連隊などの母体となった連隊です。）
第824救急病院：1951年9月30日～1952年10月14日（改称）。
独立第32特科大隊：1952年～1953年10月15日。郡山駐屯地に移駐。後の第6特科連隊（現：東北方面[[特科連隊]]）となりました。
独立第81特科大隊：1952年～1953年10月15日。浜松駐屯地に移駐。後の第107特科大隊、第116特科大隊の母体となりました。
第4特科連隊第1大隊：1954年7月1日～1954年11月4日。久留米駐屯地に移駐。
第4特科連隊第2大隊：1954年7月1日～1954年12月29日。久留米駐屯地に移駐。
第8新隊員教育隊：1954年7月5日～1955年10月21日。相浦駐屯地に移駐。後の第2教育連隊となりました。
第8特科連隊：1956年1月30日～1957年3月29日。（現:西部方面特科連隊主力など。1956年に久留米で編成後に針尾に移駐、翌年北熊本へ移駐）
針尾地区病院：1952年10月15日～1957年8月1日（閉鎖）。後の陸上自衛隊熊本地区病院（現：自衛隊熊本病院）となりました。
第114特科大隊：1954年10月15日～1957年9月1日。（後の第1特科団・第126特科大隊（現：第2地対艦ミサイル連隊）の母体となりました。）

最寄りの幹線交通

高速道路：西九州自動車道佐世保大塔IC
一般道：国道202号、国道205号、長崎県道141号ハウステンボス線、長崎県道213号南風崎停車場指方線
鉄道：JR九州大村線 ハウステンボス駅
港湾：佐世保港（重要港湾）
飛行場：長崎空港（第二種空港）

関連項目

* 相浦駐屯地

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