第8特科連隊

第8特科連隊について

第8特科連隊は、熊本県熊本市の北熊本駐屯地に駐屯していた、陸上自衛隊第8師団隷下の野戦特科部隊です。1956年の創設から2018年の部隊廃止まで、幾多の変遷を経て、その役割を終えました。

沿革

第8特科連隊は、1956年1月25日に第8混成団の編成に伴い、第4特科連隊から分離独立する形で久留米駐屯地で編成されました。当初は3個大隊を基幹としていましたが、その後、部隊の改編や装備の更新、駐屯地の移転などを経て、その編成と役割は変化しました。特に注目すべきは以下の点です。

1956年： 第8特科連隊が久留米駐屯地で編成され、その後針尾駐屯地へ移駐。
1957年： 針尾駐屯地から北熊本駐屯地へ移駐。
1962年： 第8師団への改編に伴い、大隊の改編と新編が実施。
1973年： 35mm2連装高射機関砲 L-90の配備に伴い、第6大隊（高射特科）を改編。
1981年： 第8師団の甲編成に伴い、第4大隊を新編。
1988年： 情報中隊が新編され、155mmりゅう弾砲 FH70が装備開始。
1989年： 第6大隊に81式短距離地対空誘導弾が配備。
1990年： 第6大隊（高射特科）が第8高射特科大隊として独立。
2005年： 第3大隊がえびの駐屯地へ移駐。後方支援体制変換に伴い、整備部門が移管。
2018年： 部隊廃止。

当初、26中期防期間中に3個大隊編成へ縮小が計画されていましたが、2017年度末をもって部隊は廃止され、その役割は西部方面特科連隊や第42即応機動連隊火力支援中隊へと引き継がれました。

部隊編成

廃止時（2018年3月27日）

特記ない限り、北熊本駐屯地に所在していました。

第8特科連隊本部
第8特科連隊本部中隊「8特-本」
情報中隊「8特-情」
第1特科大隊
第1特科大隊本部
本部管理中隊「8特-1-本」
第1射撃中隊「8特-1-1」
第2射撃中隊「8特-1-2」
第2特科大隊
第2特科大隊本部
本部管理中隊「8特-2-本」
第3射撃中隊「8特-2-3」
第4射撃中隊「8特-2-4」
第3特科大隊（えびの駐屯地）
第3特科大隊本部
本部管理中隊「8特-3-本」
第5射撃中隊「8特-3-5」
第6射撃中隊「8特-3-6」
第4特科大隊
第4特科大隊本部
本部管理中隊「8特-4-本」
第7射撃中隊「8特-4-7」
第8射撃中隊「8特-4-8」
第5特科大隊
第5特科大隊本部
本部管理中隊「8特-5-本」
第9射撃中隊「8特-5-9」
第10射撃中隊「8特-5-10」
第11射撃中隊「8特-5-11」
第12射撃中隊「8特-5-12」

新編時（1956年1月25日）

特記ない限り、久留米駐屯地に所在していました。

第8特科連隊本部
第8特科連隊本部中隊
第1特科大隊
第1特科大隊本部
本部管理中隊
第1射撃中隊
第2射撃中隊
第2特科大隊
第2特科大隊本部
本部管理中隊
第3射撃中隊
第4射撃中隊
第3特科大隊（針尾駐屯地）
整備支援部隊

整備支援部隊

第8後方支援連隊第2整備大隊特科直接支援中隊「8後支‐2‐特」（北熊本駐屯地）：2005年3月28日から2018年3月27日まで。

主要装備

第8特科連隊は、以下の様な装備を運用していました。

155mmりゅう弾砲 FH70
中砲けん引車
対砲レーダ装置 JTPS-P16
対迫レーダ装置 JMPQ-P13
1/2tトラック／73式小型トラック
1 1/2tトラック／73式中型トラック
3 1/2tトラック／73式大型トラック
120mm迫撃砲 RT（水陸機動団への異動予定部隊のみ）
89式5.56mm小銃

警備隊区

第8特科連隊は、以下の地域を警備隊区としていました。

熊本県：八代市、人吉市、水俣市、天草市、上[[天草市]]、八代郡氷川町、球磨郡（錦町、多良木町、湯前町、あさぎり町、水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村）、芦北郡（芦北町、津奈木町）、天草郡苓北町

参考文献

“防衛省人事発令”. 2014年12月19日閲覧。
『日本砲兵史 : 自衛隊砲兵過去現在未来』（陸上自衛隊富士学校特科会 編 1980.6）

関連項目

富士学校
富士教導団
特科教導隊
第4特科連隊
西部方面特科連隊
西部方面特科隊

外部リンク

第8特科連隊

第8特科連隊は、長きにわたり九州の防衛を担い、その歴史の中で多くの隊員が活躍しました。その存在は、今もなお多くの人々の記憶に残っています。

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