第9代総選挙 (大韓民国)

第9代総選挙について

1973年2月27日に行われた第9代総選挙は、大韓民国の第四共和国時代における国会議員選出の選挙であり、その政治的背景や影響が注目されています。韓国では、このような総選挙が「第○代」と表記されることが一般的で、総選挙という名称も単に「総選」と呼ばれています。

背景

第8代総選挙において、朴正熙大統領の与党である民主共和党は過半数を維持しましたが、議席は減少し野党の新民党が台頭する結果となっていました。この情勢により、朴大統領が憲法改正を単独で進めることが困難になり、その後の政治の流れに対する影響が増大しました。さらに、1972年の南北共同声明や特別宣言を経た国会の解散など、国内外での政治的緊張感が高まっていました。

維新憲法の成立

1972年10月に発表された「維新憲法」は、直接選挙による大統領制を廃止し、間接選挙制に移行しました。この憲法改正により、国民の基本的な権利や国会の権限が制限され、議会制民主主義が大きく変質するきっかけとなりました。新たに設立された統一主体国民会議においては、朴正熙が唯一の候補として選出され、彼の大統領再選につながったのです。

選挙の実施

第9代総選挙は新たな国会議員選挙法に基づいて実施されました。この法改正により無所属候補者の出馬が認められ、中選挙区制度が採用されました。同時に、個人による選挙運動は全面的に禁止され、選挙活動の公営化が徹底されました。この結果、参加政党は厳格に制限され、民主共和党、新民党、民主統一党の3党のみが競うことになりました。

投票結果

1973年2月27日に行われた投票では、投票率は71.3%で、約1,200万人が投票に参加しました。結果として、民主共和党が第一党となり、維新政友会（維政会）の議席を合わせることで与党は国会の3分の2を占めることに成功しました。また、女性議員も12名当選し、全体の議員中には5.5%の比率を占めたことが特徴的です。

選挙後の政治状況

選挙結果を受けて、朴正熙政権は維新体制を強化し、国会の権限を制限することで政権基盤を固めました。しかし、このような制度変更や政権の強権化は、後に各方面からの批判を呼ぶことになり、韓国の民主化運動の契機となります。

結論

第9代総選挙は、韓国の政治史において非常に重要な位置を占める出来事です。選挙によって新しい政治体制が確立され、国会の権限が大きく変化しましたが、その後の政治的緊張や民主化運動の高まりにも影響を与えることとなりました。今後の韓国の歴史を理解する上でも、この選挙の影響を考えることは重要です。

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