第90独立空中機動大隊 (ウクライナ空中機動軍)

第90独立空中機動大隊

第90独立空中機動大隊は、ウクライナの空中機動軍に属する部隊で、特にドンバス戦争とロシアのウクライナ侵攻において重要な役割を果たしています。この部隊は2014年に創設され、ドネツィク州の都市コンスタンチノフカに本部を置いています。最初は第95独立空中機動旅団から抽出された人員を元に編成され、その後第81独立空中機動旅団の隷下に配置されました。

ドンバス戦争での活動

2014年9月15日に設立されたこの部隊は、同年11月にドンバス戦争に投入され、主に東部ドネツィク州に配備されました。戦争の激化に伴い、その中枢的な役割を担っていることが明らかになり、2015年12月30日にはウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領から名誉称号「イヴァン・ズブコフ」を授与され、特に戦場での勇敢な行動が称賛されました。

ロシアのウクライナ侵攻

2022年2月24日から始まったロシアの侵攻では、東部のドネツィク州と接する北東部ハルキウ州のイジューム地区に配備されました。この地域ではロシア軍の大規模攻勢があり、当初約100人で防御にあたったものの、周囲の状況は厳しく、4月上旬にイジュームは陥落しました。

その後、部隊は東部ドネツィク州のクラマトルシク地区へと再配置されましたが、戦闘は熾烈を極め、部隊の中でも特に第1中隊長と第3中隊長が戦死する事態となりました。更に6月上旬までには、リマンやスヴャトヒルシクが相次いで陥落しました。このような過酷な環境の中でも、組織としての結束力は維持され、戦闘続行が求められていました。

2022年11月17日には、ウクライナ大統領のウォロディミル・ゼレンスキーから勇気に対する栄誉賞が授与され、部隊の士気を高めるきっかけとなりました。

編制

第90独立空中機動大隊は、以下のような部隊構成を持っています。

• - 大隊本部（コンスタンチノフカ）
• - 第1中隊
• - 第2中隊
• - 第3中隊
• - 迫撃砲中隊
• - 防空小隊
• - 偵察小隊
• - 工兵小隊
• - 補給小隊
• - 通信小隊
• - 衛生班

このように多岐にわたる部隊編成を持ち、多くの状況に対応できるように準備を整えています。これからも第90独立空中機動大隊は、厳しい戦闘環境の中でウクライナの防衛に力を注ぎ続けることでしょう。

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