第93師団 (日本軍)

第93師団

第93師団は、1944年（昭和19年）に編成された大日本帝国陸軍の師団の一つです。太平洋戦争末期、本土決戦に備えて編成されました。

沿革

1944年7月、留守第52師団を基幹とし、陸軍歩兵学校、陸軍野戦砲兵学校、陸軍工兵学校の教導連隊から人員と馬匹を加えて編成されました。編成後、第36軍に編入されました。

第93師団は、本土決戦において関東地方に配置されることが計画され、師団の主力は御殿場に、歩兵第203連隊は千葉県北部に、歩兵第204連隊は松本に配置されました。その後、連合国軍が九十九里浜に上陸する可能性を考慮し、千葉県北部に移動しましたが、実際に戦闘を交えることなく終戦を迎えました。

師団概要

歴代師団長

末藤知文 中将：1944年7月8日 - 1945年3月1日
山本三男 中将：1945年3月1日 - 終戦

参謀長

高石正 大佐：1944年7月8日 - 1944年12月30日
中村五郎 大佐：1944年12月30日 - 終戦

最終司令部構成

参謀長：中村五郎大佐
参謀：篠田正治少佐
参謀：井内春二少佐
高級副官：長谷川良成中佐
兵器部長：二宮毅大佐
経理部長：村田寿主計中佐
軍医部長：坂崎善雄軍医中佐
獣医部長：和田滋雄獣医中佐

最終所属部隊

歩兵第202連隊（富山）：河合慎助大佐
歩兵第203連隊（金沢）：藤原忠次大佐
歩兵第204連隊（富山）：俵健次郎大佐
騎兵第93連隊：安高音吉大佐
山砲兵第93連隊：山口嘉良大佐
工兵第93連隊：原亀治中佐
輜重兵第93連隊：白岩浩治少佐
第93師団速射砲隊：神谷秀雄少佐
第93師団通信隊：山下宗八少佐
第93師団兵器勤務隊
第93師団衛生隊
第93師団第1野戦病院
第93師団第4野戦病院
第93師団制毒隊
第93師団病馬廠

まとめ

第93師団は、本土決戦に備えて編成されたものの、実際の戦闘を経験することなく終戦を迎えた師団です。その編成、配置、幹部、所属部隊など、当時の軍事組織の一端を知る上で貴重な情報を提供しています。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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