笹子隧道

笹子隧道と新笹子隧道の概要

笹子隧道の特徴

笹子隧道（ささごずいどう）は、山梨県大月市と甲州市の間に位置する山梨県道212号日影笹子線に設けられたトンネルです。このトンネルは、1936年に建設が始まり、1938年に開通しました。全長239メートル、幅3.0メートル、高さ3.3メートルの鉄筋コンクリート製の構造物であり、笹子峠の直下を貫通しています。また、トンネルの付近には峠へ通じる登山道の入口もあり、登山者にも利用されています。

トンネルの建設には286,700円の費用がかかり、当時の金額に換算すると約4億4,000万円に相当します。しかし、笹子隧道に通じる道は狭く急なヘアピンカーブが多いため、自動車の通行には難儀が伴いました。1952年にはこの隧道が国道20号に指定されたものの、交通量の回復には至らず、新笹子隧道が開通すると国道から県道へ移管されることになりました。

笹子隧道は、1997年に「県内交通の近代化の様子を示す施設」として登録有形文化財に登録され、特徴的な意匠を持つ建築物としての評価を受けています。特に、坑門上部の装飾や大月市側の柱形装飾が印象的です。近年のデータでは、24時間の交通量は291台となっており、しかし雪シーズンには数ヶ月の閉鎖が行われています。

新笹子隧道の重要性

一方、新笹子隧道（しんささごずいどう）は国道20号に設置されたトンネルで、全長2,953メートル、片側1車線の構造となっています。このトンネルは1952年に国道20号に指定されるとともに、必要とされる難所を克服するためのトンネル開発が始まりました。16億円に達する総工費をかけ、1957年に完成、翌年には一般有料道路として供用が開始されました。

当初、トンネルの通行予測は449台/日でしたが、実際には540台を超え、徐々に増加し、昭和43年度には日々の通行量が7,806台にまで達しました。そのため、1971年には償還が完了し無料開放され、その後は特に果物や野菜の流通において重要な役割を果たしました。新笹子隧道の開通により、東京方面への農産物が効率良く運ばれるようになり、経済効果も大いに期待されました。

現在の取り組みと今後の展望

さらに、新笹子隧道は築55年を迎え、老朽化対策が必要とされる段階に入ったため、国土交通省が改修作業を進めています。既存のトンネルの近くに新たにトンネルを掘削する計画がスタートしており、安全面にも配慮された工事が行われる予定です。

このように、笹子隧道と新笹子隧道は、山梨県の交通の要所として数十年にわたり地域の発展に寄与してきました。そして、今後も地域経済の成長・発展に貢献していくことが期待されています。

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