筑後草野駅

筑後草野駅：歴史と現状、そして周辺の魅力

筑後草野駅は、福岡県久留米市草野町紅桃林に位置する、JR九州久大本線の駅です。1928年（昭和3年）12月24日、国有鉄道の駅として開業しました。当初は『草野駅』という駅名でしたが、他の路線にも同名の駅が存在したため、現在の『筑後草野駅』となりました。

開業以来、筑後草野駅は幾多の変遷を経験しています。1945年（昭和20年）にはシロアリ被害による駅舎改築、1963年（昭和38年）には貨物取扱いの廃止、1971年（昭和46年）には荷物扱い廃止と駅員無配置化など、時代の流れとともに変化を遂げてきました。

1972年（昭和47年）には、駅舎と土地が地元の草野町商工振興会に払い下げられ、その後は宿直室に1名が常駐し、切符販売や清掃業務に携わっていました。小荷物扱いも委託業者によって行われていたようです。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によって九州旅客鉄道（JR九州）に継承され、1989年（平成元年）には無人駅となりました。

1992年（平成4年）には、久大本線の特急運行開始に伴う高速化工事で、駅構内が相対式ホーム2面2線へと改良されました。同年、駅舎内には古道具店も開業しました。しかし、1994年（平成6年）に発生した不審火により駅舎が全焼するという痛ましい出来事がありました。その後、1996年（平成8年）に久留米市の負担で現在の駅舎が再建されましたが、財政法規上の問題からしばらくの間、駅名標示ができない状況が続いたようです。

現在の筑後草野駅は、無人駅であり、待合室とトイレ以外の設備はありません。乗車券は車内精算または窓口精算となります。駅舎は草野観光会館を兼ねており、かつて古道具屋が営業していましたが、現在は空き部屋となっています。

駅舎は相対式ホーム2面2線の地上駅で、安全側線が分岐しています。かつては棒線駅でしたが、前述の高速化工事によって現在の構造となりました。

2016年度の1日平均乗車人員は120人です。

駅周辺の環境

筑後草野駅の周辺は、落ち着いた雰囲気の地域です。駅前に駐車場を兼ねた広場があり、そこから県道151号線（草野並）へアクセスできます。国道210号線からは駅への案内標識がありますが、若干分かりにくい場所に位置しているため注意が必要です。

草野並沿いは「草野・紅桃林地区の伝統的町並み」として保存されており、古民家を含めた歴史的な建物が立ち並んでいます。周辺には、西鉄バスのバス停「草野駅前」、耳納連山の登山口、久留米市立草野歴史資料館（旧草野銀行本店、国登録有形文化財）、山辺道文化館（旧中野病院、国登録有形文化財）など、観光資源も豊富です。

隣の駅

筑後草野駅は、歴史と自然、そして文化が調和した魅力的な場所です。静かな雰囲気の中で、昔ながらの日本の風景を味わうことができるでしょう。訪れる際には、周辺の観光スポットも合わせて巡ってみることをお勧めします。

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