箕面滝

箕面滝：紅葉の名所として名高い、歴史と自然が織りなす名瀑

大阪府箕面市に位置する箕面滝は、明治の森箕面国定公園内に存在する、日本屈指の美しい滝です。別名『箕面大滝』とも呼ばれ、日本の滝百選にも選定されている名瀑として知られています。古くから人々に親しまれ、年間200万人以上の観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。

歴史と自然が織りなす風景

箕面という地名は、木々の間から流れ落ちる滝の様子が蓑に似ていることに由来する、あるいは周辺の地名に「尾」の字が多いことから水尾が転じたとする説があります。古くは修験道の道場として栄え、豊かな自然と歴史が深く関わってきた場所です。

滝壺から舞い上がる水しぶき、周囲を包む緑豊かな自然、そして秋には燃えるような紅葉と、四季折々の表情を見せる箕面滝は、訪れる人の心を魅了してやみません。特に秋の紅葉シーズンは、多くの観光客で賑わいを見せます。

アクセスと周辺環境

阪急箕面駅から徒歩約35分、比較的緩やかな道を歩けば滝に到着します。滝の近くには大日駐車場もあり、アクセスは良好です。しかし、観光シーズンや週末は非常に混雑するため、時間に余裕を持って訪れることをお勧めします。

周辺にはニホンザルが生息しており、かつてはサルによる被害も問題となっていました。しかし、近年は猿を自然に返す取り組みが進められ、滝道でサルに遭遇する機会は減っています。

また、箕面滝道には、1951年（昭和26年）の集中豪雨で殉職した箕面警察署長、合田百一の記念碑が建立されています。この碑は、豪雨災害における人々の勇気と犠牲を後世に伝える、重要な史跡となっています。

摂津名所図会からの記述

古文書『摂津名所図会』には、箕面滝について以下のような記述があります。

本社より十八町奥にあり。巌頭（がんとう）より飛潟（ひしゃ）して。石面を走り落つる事凡（すべ）て十六丈。

瀧壷（たきつぼ）より泡を飛す事珠（たま）をちらすがごとく、霧を噴（は）く事雲の如し。日光これを燭（しょく）してさいさん目を奪ふ。

天下賞して瀧の第二とす。瀧の上に碧潭（へきたん）あり。これを龍穴（りゅうけつ）といふ。

村民旱天（かんてん）に遇う時。ここに祷（いの）れば忽（たちまち）膏雨（ごうう）降るなりとぞ。

三鈷松（さんこのまつ）瀧の上にあり。三葉にして、而（しか）も其色（そのいろ）四時（しいじ）蒼々（そうそう）として艶（うるは）しく、瀧水日影に映ずる時は光あり。

わすれては雨かとぞ思う瀧の音にみのおの山の名をやからまし、津守國助。

ながれてと思ふこころの深きにぞなにかみのおの瀧となるべき、後九條。

これらの記述は、当時の箕面滝の壮大さと神秘性を鮮やかに伝えています。

人工滝騒動

2006年には、マスコミ報道で「箕面滝は人工滝である」という誤った情報が流布されました。これは、箕面グリーンロードのトンネル工事によって水量が減少したという誤解に基づくものでした。しかし、実際には、箕面滝の水量は年間降水量と密接に関係しており、トンネル工事との因果関係は否定されています。

この誤報は、箕面市の観光事業に大きな影響を与え、市は報道機関に訂正を求めました。その後も、誤った情報が流布されることがあり、市は改めて事実関係の解明と訂正を呼びかけています。

関連作品

箕面滝は、古くから多くの芸術家にインスピレーションを与えてきました。後藤夜半の有名な句「瀧の上に水現れて落ちにけり」や、池大雅による『箕山瀑布図』などが、箕面滝の美しさを後世に伝えています。

周辺

箕面滝周辺には、勝尾寺、瀧安寺などの歴史的建造物や、箕面川ダム、箕面温泉などの観光スポットもあります。箕面公園全体を散策することで、より深く箕面滝の魅力を味わうことができるでしょう。

交通アクセス

阪急箕面線箕面駅から徒歩約35分です。

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