箕面駅

箕面駅：歴史と自然に抱かれた終着駅

大阪府箕面市に位置する箕面駅は、阪急電鉄箕面線の終着駅であり、同鉄道の駅の中で最も標高が高いことで知られています。駅番号はHK-59。箕面滝や瀧安寺といった観光名所へのアクセス拠点として、古くから多くの人々で賑わう場所です。

開業から現在まで：変遷の歴史

箕面線が敷設された当初は、観光客の輸送を主な目的としていました。そのため、箕面滝への入り口である現在の市街地の北端に駅が設置されました。開業当初は、ラケット状のループ線を用いた折り返し運転が行われており、ホームも乗降別に分かれていました。西側に降車ホーム、東側に乗車ホームが配置されていた様子が伺えます。また、当時の石橋駅（現在の石橋阪大前駅）がデルタ線であったことから、梅田から箕面駅を経由して宝塚へ向かう電車も運行されていたと言われています。

ループ線内には運動場や「箕面公会堂」という劇場もありましたが、大正中期に宝塚市に移築され、「公会堂劇場」として宝塚少女歌劇の公演に使われるようになりました。駅周辺には観光馬車が待機しており、箕面公園へのアクセスも容易でした。

1910年（明治43年）3月10日、箕面有馬電気軌道（現在の阪急電鉄）箕面線の開通と同時に「箕面公園駅」として開業。阪急電鉄最古の駅の1つです。その後、時期不詳ながら1931年から1932年頃にかけて「箕面駅」に改称されました。近年では、2011年（平成23年）3月27日に駅構内に足湯「もみじの足湯」が開業。観光客に好評でしたが、2021年（令和3年）3月31日に営業を終了しました。2013年（平成25年）12月21日には駅ナンバリングが導入され、HK-59となりました。

駅構造と利用状況

箕面駅は地上駅で、櫛形ホーム2面2線を有しています。ホーム有効長は8両編成に対応。駅舎（改札口）はホームの頭端部に位置します。1号線は両側をホームに挟まれた島式ホームとなっており、日中は1号線のみを使用、朝夕ラッシュ時や行楽シーズンには2号線も使用されます。

2019年度のある特定日における1日の乗降人員は17,149人（乗車人員：8,541人、降車人員：8,608人）でした。近年は、観光客や地元住民の利用により、安定した乗降人員数を維持しています。

もみじの足湯：地域の交流拠点として

改札外にはかつて「もみじの足湯」が設置され、観光案内所も併設されていました。箕面市内の観光案内や交通チケットの販売も行っていました。JR九州の由布院駅や京福電気鉄道の嵐山駅と「足湯三姉妹」として姉妹提携を結んでいました。

駅周辺：豊かな自然と都市機能が融合

駅の西側には箕面川が流れ、北側には箕面滝への滝道が広がっています。徒歩圏内には箕面温泉、箕面公園昆虫館、瀧安寺などの観光スポットがあります。東側には大阪府道9号箕面池田線があり、周辺には箕面市立郷土資料館、明治の森箕面国定公園、各種金融機関、警察署、図書館、ホール、運動場、学校、ホテル、寺社など、生活利便施設や教育機関が充実しています。勝尾寺へのアクセスには阪急バスの利用が便利です。

バス路線：周辺地域へのアクセス

駅前に阪急バスとオレンジゆずるバスのバス停があり、箕面市内の各地や周辺都市へのアクセスを確保しています。阪急バスは箕面山麓線、彩都線など複数の路線が乗り入れ、オレンジゆずるバスは市内循環路線が運行されています。

隣の駅

上り：牧落駅
下り：なし（終着駅）

箕面駅は、歴史と自然、そして利便性を兼ね備えた駅です。今後も、多くの観光客や地域住民にとって重要な役割を担い続けることでしょう。

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