節制 (タロット)

タロットカード『節制』について

タロットの大アルカナに属する『節制』は、カード番号14として位置付けられています。このカードは、自制や調和、節度を象徴し、様々な解釈が存在します。正位置で現れると、調和をもたらし、内面的な平穏を示すことが多いですが、逆位置では生活の乱れや浪費を示唆します。

カードの正位置と逆位置の意味

『節制』の正位置においては、調和、自制、献身、謙虚、そして平常心が表現されます。これらは、心や行動がバランスよく保たれ、冷静に物事を捉えることが求められている状態と言えます。一方、逆位置の『節制』は、浪費や生活の乱れを示すことがあり、不公平や不正、さらには不均衡な状況を反映することがあります。アーサー・エドワード・ウェイトは、このカードに関し「調整・中庸・倹約・管理」といった概念を強調しています。

カバラと占星術との関連

『節制』のカードは、カバラにおいてヘブライ文字サメフ（ס）と結び付けられています。また、個々の解釈として「黄金の夜明け団」は、カードをティファレトとイェソドのセフィラを結びつけるものと捉えています。占星術においては、金牛宮や巨蟹宮、天蠍宮、人馬宮、磨羯宮、宝瓶宮などと関連付けられ、惑星でも太陽や月、水星、ヴァルカンが挙げられます。

複雑な寓画の解釈

『節制』のカードには、羽の生えた人物が描かれており、彼は杯から水を移し替える様子が表現されています。これは、大天使ミカエルとして解釈され、規律と献身、さらには慈愛の象徴としての役割を果たします。この姿勢は、中立的な立場から相反する要素を結びつける「仲介者」としても解釈されています。

ウェイト版では、天使が四大元素を一つにまとめる構図が強調されています。その背景には、栄誉の印を表す「光輪」が描かれ、生死の狭間を体験する者に与えられる栄光を象徴しています。また、左側に咲くアイリスの花は、虹を象徴する女神イリスにちなんだもので、穏やかな晴天を想起させます。

まとめ

『節制』のカードは、タロットにおける重要な要素であり、調和や自制の象徴として多くの解釈に基づいています。正位置ではポジティブなエネルギーを示し、逆位置であれば注意が必要な状況を示唆します。このカードを通じて、私たちの生活や心のバランスを見つめることができるでしょう。

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