米朝よもやま噺

桂米朝よもやま噺：上方芸能の至宝、最後の語り

2005年から2013年までABCラジオで放送された『米朝よもやま噺』は、上方落語の大御所・桂米朝を冠としたトーク番組でした。彼の生前最後のレギュラー番組として、多くのリスナーに愛され、現在もその音声アーカイブは高い評価を受けています。

番組は、米朝師匠が自身の落語家人生を振り返り、日々の出来事や上方演芸文化への造詣を語る「一人語り」が中心でした。時折、落語家、俳優、文化人など、米朝師匠とゆかりのある著名なゲストを招き、軽妙なトークを交えた対談形式「交遊録」も放送されました。2006年からは、これらの対談を事前に収録するスタイルが増えました。

番組制作は、朝日放送テレビのプロデューサーである市川寿憲氏を進行役とした綿密な準備のもとで行われていました。市川氏の存在は、2006年4月9日の放送で初めて明かされました。米朝師匠の体調不良などによる収録欠席時には、長男の五代目桂米團治や弟子筋の落語家が代役を務めることもありました。

収録は基本的に火曜日の夕方に実施され、最も多くのゲスト出演を果たしたのは桂ざこば師匠でした。2010年12月時点での記録であり、ABCラジオの平日夕方の生ワイド番組『元気イチバン!!芦沢誠です』の火曜レギュラーを務めていた関係で、同番組終了後に収録に参加していたことが伺えます。

番組の放送内容は、朝日新聞関西版夕刊に「米朝口まかせ」として毎週連載され、これらをまとめた書籍も4冊刊行されました。これらの書籍は、番組の内容を深く理解する上で貴重な資料となっています。

しかし、2013年8月、米朝師匠は肺炎のため入院。87歳という年齢と長年の体調を考慮し、同年9月29日をもって番組は終了しました。番組終了前には、夏休みスペシャルとしてアンコール放送を実施し、最後の収録分を放送した後に、傑作選として過去放送分の再構成版も放送されました。

番組では、リスナーからのメッセージを募集し、毎週1名に米朝関連書籍がプレゼントされました。プレゼントされた書籍にはサイン入りの写真集や、米朝師匠の業績をまとめた書籍などが含まれていました。

番組公式サイトでは、放送終了後に番組内容の紹介とスタジオ風景写真が掲載されていましたが、書籍刊行開始後は更新頻度が低下し、番組終了時には番組概要、米朝師匠の紹介、メッセージ投稿フォームに絞られていました。

番組冒頭のタイトルコール、提供アナウンス、ゲスト紹介は、朝日放送アナウンサーの鳥木千鶴氏が主に担当。出産・育児休暇中は、後輩アナウンサーの橋詰優子氏が代役を務めました。

『米朝よもやま噺』の放送枠は、2013年10月6日から『ラジオわろうてい』へと引き継がれました。この番組は、上方落語、漫才、浪曲、講談の名人芸をアーカイブ音源で紹介する番組です。しかし、番組終了直後の10月3日には市川寿憲氏が急逝。そして米朝師匠も2015年3月19日に89歳で永眠されました。そのため、『米朝よもやま噺』は、米朝師匠にとって生前最後の冠番組、レギュラー番組となりました。

米朝師匠の逝去後、朝日放送ではテレビ・ラジオで追悼特集を放送する際に、番組の音源や収録時のスタジオ映像が活用されました。2015年4月26日には、『桂米朝 最後のよもやま噺』と題した追悼番組が放送されました。この番組には、桂ざこば師匠、桂米團治師匠、三代澤康司アナウンサーが出演し、番組の音源が使用されました。

放送時間やゲストリスト、番組関連書籍などの情報は、この文章からは読み取れませんでしたが、番組の価値や歴史を伝える重要な要素となっています。これらは、別途資料を参照ください。

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