米本城

米本城（よなもとじょう）

概要

米本城は、千葉県八千代市に存在した日本の城で、その跡地は「米本城跡」として知られています。地元では「龍牙城（りゅうげじょう）」とも呼ばれています。この城は、室町時代から戦国時代にかけてこの地域で勢力を持っていた村上氏の居城でした。城は「一の郭、二の郭、三の郭」の三つの主要な郭から構成される平山城で、南北約300メートル、東西約150メートル、面積は約45,000平方メートルと比較的広い規模を持っていました。

構造

米本城の原型は室町時代に築かれました。その後、太田道灌による臼井城攻め、安房里見氏の侵攻、上杉謙信による臼井城攻めなど、数々の戦いを経て、現在の南北約300メートルの城郭に拡張されたと考えられています。

城は、付近の台地から南に伸びる比高20メートル程度の舌状台地上に位置しており、舌状台地の先端部から一の郭、二の郭、三の郭が連なる構造となっています。また、郭としての明確な区分は不明瞭ながらも、三の郭の東側や台地の基部にも郭の一部と思われる遺構が確認されています。

三の郭の空堀は浅いものの、中央には土橋が設けられ、その東側には三の郭からの張り出しがあり、横矢をかける構造になっています。三の郭の東端にはL字状の土塁を伴う虎口があり、二の郭の外枡形のような構造を呈しています。

遺構

米本城は、採砂によって主要な部分が失われてしまいましたが、現在でも曲輪、土塁、空堀などの遺構が残っています。城跡の敷地は現在竹林に覆われています。また、天然の堀の役割を果たしていた新川には、「城橋」という名の橋が架かっています。

沿革

文明11年（1479年）には、太田道灌の軍勢が米本の龍ヶ城を攻めたという記録があり、この龍ヶ城が米本城であるという説もあります。

天文年間には、村上国綱、綱清父子によって築城されたと伝えられています。永禄元年（1558年）には、米本城が攻められて落城し、城主である綱清が自害したという説がありますが、臼井城と連携していたという観点から、落城時期を永禄4年（1561年）とする説もあります。

昭和42年（1967年）には、土砂採取を目的として一の郭と二の郭が削られ、消滅してしまいました。

所在地

千葉県八千代市米本字内宿。
かつての旧下総国印旛郡米本村内宿。

交通

東葉高速線八千代中央駅下車後、国道16号線を左回りに徒歩約30分。

関連項目

日本の城一覧
千葉県の城
長福寺
米本神社
八千代市立郷土博物館

外部リンク

八千代市立郷土博物館公式ホームページ

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