米田家

米田家の歴史

米田家（こめだけ）は、越智氏の末裔を自称する武将・士族・華族の家系です。もともとは大和国から来た家で、近江国滋賀郡坂本に拠点を持ち、初期は足利将軍家に仕えていました。しかし、米田求政の代になると、細川藤孝の家に仕官するようになりました。

この家は、是季の時代に「長岡姓」を許可され、その後も熊本藩の中で重要な役割を果たしました。しかし、一時は藩主細川忠興と対立し、浪人生活を余儀なくされた時期もあります。その後、元和9年（1623年）に藩主細川忠利に呼び戻され、家老として1万石の知行を得ることとなります。

それ以来、代々「長岡監物」を名乗りながら、松井家や有吉家と並んで熊本藩の重要な家老に位置づけられました。藩主の甥である是庸が養子となり、家督を継いだ際には知行が1万5000石に増えました。

幕末から明治期

米田家の次の当主是保（のちの米田虎雄）は、幕末の折に戊辰戦争で熊本藩兵を率いて官軍に従軍し、見事な戦功を得ることになります。維新後、彼は熊本県の大参事を経て、明治4年（1871年）に宮内省に入省し、明治天皇の侍従として仕え始めました。明治11年には侍従長に昇進し、明治17年には徳大寺実則にその地位を譲った後も、侍従や主猟官として天皇の近くで尽力し続けました。実に40年以上にわたり、明治天皇に仕えた事は、米田家の名声を更に高めることになりました。

華族への昇進

維新後の米田家は士族となりましたが、明治17年（1884年）に華族が五爵制になった際には、当時の『叙爵内規』に基づき、米田家も男爵候補に挙げられました。しかし、最終的に『叙爵内規』においては万石以上の陪臣が授爵対象外となったため、この時点では士族のままとされました。

明治15年から16年ごろにかけて作成された文書によれば、虎雄の財産状況は記載がなく、職業は侍従長、貧富の状況は「相応」とされています。明治後期には、旧万石以上の陪臣が男爵に叙され始めますが、米田家は比較的早く明治25年（1892年）に、是容、是豪、虎雄の三代の勤王の功績により男爵に叙されました。

さらに、大正3年（1914年）には虎雄の長年の活動が評価され、子爵に昇進しました。細川興勝の子である国臣が養子に入り、彼は陸軍大佐にまで昇進するなど、米田家の名声を引き継いでいったのです。国臣の代には、米田子爵家の邸宅が東京市渋谷区原宿に位置していました。

このように、米田家は数世代にわたり日本の歴史において重要な役割を果たし、家族の名声と地位を築いていったのです。

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