米田求政

米田求政：戦国から安土桃山時代を駆け抜けた武将の生涯

米田求政（こめだ もとまさ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将です。その生涯は、動乱の世を生き抜いたドラマチックなものでした。

足利義輝への仕官と永禄の変

求政は室町幕府13代将軍、足利義輝に仕えていました。永禄8年（1565年）、義輝が三好三人衆らによって暗殺されるという永禄の変が発生します。この混乱の中、求政は将軍の弟である覚慶（後の足利義昭）が興福寺に幽閉されていることを知ります。

状況は刻一刻と変化し、危機的状況に陥っていました。しかし、求政は細川藤孝、三淵藤英、和田惟政、一色藤長、仁木義政らと共に、危険を顧みず覚慶の救出作戦を実行します。この大胆な行動は、後の歴史に大きな影響を与えました。義昭の保護と擁立は、戦国時代の勢力図を大きく塗り替える転換点となりました。

細川藤孝への仕官と晩年

永禄12年（1569年）からは、同じく幕臣であった細川藤孝に仕えました。藤孝は室町幕府の有力な家臣であり、求政は彼のもとで更なる活躍の場を得ることとなります。

元亀元年（1570年）には、求政が主催者となり、藤孝や里村紹巴らと共に連歌百韻の会を開催しました。これは、当時の上流階級の間で流行していた教養的な催しであり、求政の人脈と文化への造詣の深さを示しています。

元亀2年（1571年）には、山城国勝竜寺城の普請という重要な任務を担いました。城の築城や改修は、軍事的な観点だけでなく、地域の安定や統治にも関わる重要な事業です。この仕事を通して、求政は卓越した能力を発揮したと考えられます。

天正19年（1591年）7月28日、求政は生涯を終えました。

子孫と栄華

求政の子孫は、熊本藩上卿三家の家老二座として1万5,000石という大きな所領を与えられ、長岡姓を名乗ることとなりました。さらに明治維新後には男爵位を授けられ、その栄華は長く続きました。これは、求政が築き上げた功績と、子孫たちの努力が実を結んだ結果と言えるでしょう。

米田求政の生涯は、戦国時代という激動の時代を生き抜き、数々の重要な役割を担った武将の一生でした。義昭救出劇、細川藤孝への仕官、連歌会や勝竜寺城普請など、彼の行動一つ一つは、歴史の重要なピースとなっています。そして、子孫の栄達もまた、彼の功績の証と言えるでしょう。彼の生き様は、後世に語り継がれるべき、貴重な歴史的遺産です。

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