米田豊

米田 豊 (よねだ ゆたか) の生涯と業績

米田豊は1884年4月25日に島根県松江市で生まれ、1976年4月9日に亡くなった日本の牧師、神学校教師、聖書学者です。彼は少年時代から神に仕える道を歩み始め、20世紀の日本においてキリスト教の普及に貢献しました。

幼少期と信仰の芽生え

米田は中村正修の子として出生し、松江藩旧士族の米田家に養子として育てられました。6歳のときに英国国教会の宣教師バークレー・バックストンの来日を契機に、キリスト教に関心を持ち、1900年に洗礼を受けました。この信仰の影響を受けて、彼は神学校進学の道を志しました。

聖書学校への入学

1901年、米田は家族の反対を押し切り東京府神田の東洋宣教会の聖書学校に入学しました。ここで彼は修養生として教えを受け、特に中田重治などの影響を受けながら信仰を深めていきました。福音音楽隊にも参加し、伝道活動にも従事しました。

聖教団事件とその影響

1911年には、聖教団事件が発生し、彼は中田重治側に加担しました。この分裂は米田の信仰生活に大きな影響を与え、以降の行動にも影響を及ぼしました。米田は1920年に再びホーリネスのコミュニティに戻り、聖書学院で教授としての活動を始めました。

日本ホーリネス教会での活動

米田は1924年に『きよめの友』の主筆となり、その後は新約聖書の教育に力を注ぎました。彼は1932年に聖書学院での論説を発表し、信徒に対する独善的な聖書解釈を戒めました。彼の著書は、多くの信徒に影響を与えた重要な教材となりました。

ホーリネス分裂とその後の動向

1932年にはホーリネス教会が宗派内で分裂し、米田は新たに設立された日本聖教会の一員となりました。彼は聖書学院院長として指導者としての役割を担い、教会を運営する中で、中田重治との和解を試みました。1941年には日本基督教団の成立に関与しましたが、戦時中の厳しい弾圧を体験しました。

戦後の活動と晩年

戦後、米田は埼玉県秩父に居住し、その後日本ホーリネス教団の新たなリーダーシップに参加しました。再婚した夫人との生活を経て、彼は宗教界での活動を通じて信仰の意義を語り続けました。彼の晩年には、自らの著作を通じて信徒にメッセージを送り、1972年には回顧録を発表しました。

米田豊は、「昭和のヨブ」として知られるように、数多くの試練を乗り越え、信仰を貫いた生涯を送りました。彼の業績は、今なお多くの人々に影響を与えています。

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