粟津駅 (滋賀県)

粟津駅：琵琶湖畔の歴史を刻む京阪電鉄の駅

駅の概要

滋賀県大津市別保一丁目に位置する粟津駅は、京阪電気鉄道石山坂本線沿線にある地上駅です。駅番号はOT04。相対式ホーム2面2線構造で、坂本比叡山口方面と石山寺方面への列車が発着します。改札口は坂本比叡山口方面ホームにあり、反対側のホームへは構内踏切で移動できます。かつては駅員が常駐していましたが、現在は無人駅となっています。ホームの有効長は2両分です。

歴史と変遷

粟津駅の歴史は古く、1913年（大正2年）、大津電車軌道膳所～別保間の開通に伴い、別保駅として開業しました。当初は現在の瓦ヶ浜駅付近に位置し、終着駅でした。翌1914年（大正3年）には石山駅前（現在の京阪石山駅）まで路線が延伸され、途中駅となります。同年の1月17日には現在地に移設され、同時に粟津駅と改称されました。その後、幾度かの会社合併を経て、京阪電気鉄道の駅となりました。興味深いことに、太平洋戦争末期から終戦直後にかけては、京都市内から排出される屎尿を輸送する貨物駅としての役割も担っていました。

1913年から1949年までの主な歴史的変遷は以下の通りです。

1913年（大正2年）5月1日：大津電車軌道膳所（現・膳所本町） - 別保間開通。別保駅として開業（現在の瓦ヶ浜駅付近）。
1914年（大正3年）1月12日：石山駅前（現・京阪石山）まで路線延伸。途中駅となる。
1914年（大正3年）1月17日：現在地に移設。粟津駅に改称。
1927年（昭和2年）1月21日：琵琶湖鉄道汽船の停留場となる（会社合併）。
1929年（昭和4年）4月11日：京阪電気鉄道石山坂本線停留場となる（会社合併）。
1943年（昭和18年）10月1日：京阪神急行電鉄（現・阪急電鉄）の停留場となる（会社合併）。
* 1949年（昭和24年）12月1日：会社分離により京阪電気鉄道の停留場となる。

駅名について

駅名は「粟津」ですが、実際には粟津町の最寄りの駅は隣接する京阪石山駅です。この点については、歴史的経緯や地名の変遷などが関係していると考えられます。

利用状況と周辺環境

2012年の1日平均乗降客数は699人でした。駅周辺は住宅地が広がっており、静かな雰囲気です。琵琶湖にも近く、自然豊かな環境が魅力です。

アクセスと接続

粟津駅は、石山坂本線を利用して、京阪石山駅方面や坂本比叡山口方面へのアクセスが可能です。周辺にはバス路線も通っています。

まとめ

粟津駅は、歴史と自然に囲まれた、静かな佇まいの駅です。かつては貨物輸送にも利用され、時代の変遷を肌で感じることができる場所と言えるでしょう。琵琶湖の美しい景観を眺めながら、のんびりとした時間を過ごしたい方におすすめです。

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