精進川

精進川について

精進川（しょうじんがわ）は、札幌市南区と豊平区を流れる、石狩川水系豊平川の支流です。全長13.2kmのうち、下流6.2kmは北海道が、上流7.0kmは札幌市が管理しています。2007年には、「精進川〜ふるさとの川づくり〜（河畔公園区間）」が土木学会デザイン賞（優秀賞）を受賞しました。

流路

精進川は、札幌市南区の定山渓ゴルフ場近くの丘陵に源を発し、北へと流れます。上流部は人家が少ないものの、中流部では右岸が澄川地区、左岸が真駒内地区と、住宅地が広がります。北海道道82号線と交わるあたりから市街地に入り、自衛隊前駅の下を通過。南区澄川1条4丁目で精進川放水路を分け、本流はさらに北へ進み豊平区へと入ります。下流部では、精進河畔公園や豊中公園などの公園を通り、幌平橋の北で豊平川に合流します。

川沿いには緑が多く、段丘崖には自然林も残っています。下流域は冬に雪捨て場となりますが、水量が少ないため雪に埋もれてしまうことがあります。

歴史

精進川沿いには、縄文時代や擦文時代の遺跡があり、古くから人が住んでいたことがわかっています。1891年の文献には、現在の精進川にあたる「オソウシ」という地名が記載されています。アイヌ語では「川尻に滝がある」という意味で、崖から滝となって豊平川に流れ込む様子を表しているとされています。また、付近の「平岸」という地名は、アイヌ語の「崖の端」に由来すると言われています。

和人の入植は1871年に始まり、岩手県出身者を中心とした人々が平岸地区に入りました。1873年には、精進川から水を引き込むための用水堀が作られました。明治・大正期以前、精進川は現在の放水路あたりで豊平川の分流に合流しており、分流と本流に囲まれた中洲が「中の島」地区と呼ばれていました。また、中流右岸の澄川地区は、かつて「精進川」と呼ばれていました。

昭和初期には、豊平川の築堤工事により分流が遮断され、現在の精進川下流となりました。1966年から1971年にかけて、洪水対策として精進川放水路が建設されました。1976年までには、下流部の川床と岸がコンクリート護岸で覆われ、水質汚染が進みました。しかし、20世紀末には水質が改善され、1992年からは「精進川 ふるさとの川事業」として再改修が行われました。コンクリート護岸が取り除かれ、自然に親しめる場所へと生まれ変わりました。

支流

真駒内用水：真駒内川から取水し、精進川に注ぐ約4kmの水路。1879年に開削されたが、現在は景観上の役割を担っています。
精進川放水路：精進川から豊平川へ排水する約600mの水路。澄川地区の洪水対策として1971年に完成しましたが、地図上では「放水路」とは表記されず、精進川と呼ばれることが多いです。

橋梁

精進川放水路には、中条橋、豊進橋、新精進橋、精進川管理橋などの橋が架かっています。

河川施設

精進川用水堀（平岸用水）：精進川から豊平川まで続く、全長約5.3kmの用水路。1873年に平岸村の住民が水を得るために開削しました。1894年には、周辺の村々と共同で用水組合が設立され、大規模な拡張工事が行われましたが、市街地化により1961年に廃止されました。現在は、一部が自転車道や遊歩道として整備されています。

周辺施設

札幌市立澄川西小学校：精進川放水路の分岐点近くに位置し、隣接するあじさい公園から精進川用水堀が始まります。
* 札幌市立中の島小学校：豊平川への合流部近くにあり、南隣には豊中公園があります。

自然景勝地

精進川には、いくつかの滝があります。精進河畔公園内にある落差2mほどの滝は、「精進川の滝」や「川尻の滝」として知られています。また、天神山児童会館付近にも小さな滝があります。

その他

精進川は、その歴史の中で人々の生活と深く関わってきました。現在では、市民の憩いの場として、その自然と歴史が大切に守られています。

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