糖業協会

公益社団法人糖業協会について

公益社団法人糖業協会は、日本の製糖業者によって組織された業界団体です。この協会は、製糖業界の発展と、関連する公益事業の推進を目的として活動しています。

事業内容

設立当初、糖業協会は会員間の交流を深めるクラブ的な性格を持っていました。しかし、1957年から1961年にかけては、それまで松方正熊氏（北海道製糖創業者）が個人的に行っていた暖地甜菜の試作事業を公益事業として引き継ぎました。これにより、協会の活動はより公共的なものへと発展しました。

また、糖業協会は文化的な活動にも力を入れており、梅原龍三郎の「紫禁城の黄昏」や金山平三の「雲の陰」など、65点に及ぶ美術品を所蔵しています。これらの美術品は、公立・公共美術館に無償で貸し出されており、文化振興にも貢献しています。

沿革

糖業協会の歴史は、1909年（明治42年）に台湾の製糖業者によって設立された台湾糖業連合会にまで遡ります。当時の台湾は日本の統治下にあり、台湾の製糖業者は主に日本国内で消費される砂糖を生産していました。しかし、次第に供給過剰となり、台湾産の原料粗糖を日本の精製糖業者に供給する道が模索されました。この過程で、販売交渉において団結する必要性が生じ、台湾糖業連合会が発足しました。

その後、台湾の粗糖業者が日本の精製糖業者を買収したり、逆に日本の精製糖業者が台湾に製糖工場を開設するなど、状況は変化しました。台湾の製糖業者の利害のみを代表することが実態にそぐわなくなったため、1920年（大正9年）に糖業連合会、1935年（昭和10年）には日本糖業連合会へと名称を変更しました。

1935年9月6日、糖業連合会創立25周年事業として会館の建設が決定されました。この際、日本糖業連合会とは別の社団法人を設立し、社債を発行して土地建物を所有することが法律上最善であると判断され、1936年1月24日に社団法人糖業協会が設立されました。

1940年には、東京都練馬区の石神井に運動場を取得しましたが、後に農場に転用されました。農地改革により政府の買収対象となる可能性が生じたため、1947年に甘味作物の試験農場に変更。この土地は1956年から再び運動場として使用された後、1976年に東京都住宅局に売却されました。

第二次世界大戦中、日本の精製糖工場は軍需工場に転換され、終戦により台湾や沖縄などの主要産地を失ったため、日本の製糖業は壊滅状態に陥りました。日本糖業連合会は1947年2月25日に解散が決議されましたが、糖業協会は糖業会館の収入により、財政的な困難を乗り越えました。

2008年の公益法人制度改革により、従来の社団法人は一般社団法人または公益社団法人に移行することになりました。糖業協会は内閣総理大臣認定の公益社団法人として、新たなスタートを切りました。

糖業会館・ニッポン放送本社ビル

糖業協会は、その歴史の中で、糖業会館の建設と、その後のニッポン放送との共同ビル建設という大きなプロジェクトを推進しました。

糖業会館は1939年8月15日に落成し、1944年4月から農林省（現 農林水産省）に貸し出されました。地下1階は1949年から帝国ホテルによる食堂「リッツ」が営業を行っていました。

農林省が1953年に霞が関へ移転した後の賃料収入源として、1954年2月1日にニッポン放送との賃貸契約が締結されました。設立直後の富士テレビジョン（フジテレビジョン）本社も入居していました。

駐日アメリカ大使館からの使用申し入れがありましたが、この交渉は実現しませんでした。帝国ホテルは1958年に地下食堂の賃貸契約を終了し、代わりにニユートーキヨーが営業を開始しました。

1992年、ニッポン放送から糖業会館の老朽化と、新メディアに対応するためのスペース不足を理由に、共同でのビルの建て替えが提案されました。清水建設による耐震診断の結果、躯体に問題はないものの、外壁や設備の補修に多額の費用がかかること、また、当時の建物容積率が条例で定められた容積率を下回っていたことから、建て替えが決定されました。

建て替え期間中、ニッポン放送は1997年4月にお台場のフジテレビ本社ビルに一時移転しましたが、糖業会館には分室を設け、一部フロアを首都圏営業部として使用しました。

糖業会館は2001年8月より解体され、建て替え期間中は、糖業協会は三菱地所設計の紹介で隣接する日比谷パークビルに一時移転しました。その後、当該ビルも建て替えに入るため、2003年2月に新丸ノ内ビルヂングに再移転しました。

両者は情報発信を共通のテーマとして、新しいビルを建設しました。2002年1月に着工し、2004年4月5日に地下4階・地上9階からなる共同ビルが完成し、糖業協会とニッポン放送が戻るとともに、地下1階にはニユートーキヨーによるラウンジバー「綴」がオープンしました。

新しいビルの外装は、ガラスカーテンウォールと石の垂直壁を採用し、街並みの中で存在感を示すと同時に調和することを重視しました。特に、前面に建つDNタワー21の石の塊との対比を意識して、ガラスを全面に採用しました。糖業協会の内装には、旧会館のインテリアを部分的に保存利用し、旧会館の雰囲気を伝えています。

脚注

参考文献

『新建築2008年6月臨時増刊 The MARUNOUCHI BOOK Activity, Maps & Urban Architecture マルノウチ本』新建築社、2008年。
糖業協会 編『戦後の日本糖業の発展と糖業協会』2012年5月31日。

関連項目

製糖関連の業界団体
精糖工業会
日本ビート糖業協会
日本製糖協会
日本甘蔗糖工業会
日本分蜜糖工業会

外部リンク

* 公益社団法人 糖業協会

もう一度検索