紀俊忠

紀俊忠（きい としただ）

紀俊忠は、1892年12月5日に生まれ、1970年1月22日に没した、大正から昭和にかけての時代に多岐にわたる分野で活躍した人物です。彼は技術者、実業家、政治家としての顔を持ち、華族の男爵という家柄でもありました。旧姓は今園でした。

経歴

紀俊忠は、男爵・今園国映の二男として誕生しましたが、後に男爵・紀俊秀の養子となります。1940年11月1日に養父の死去に伴い、男爵を襲爵しました。

学歴としては、1917年に京都帝国大学理工科大学機械科を卒業しています。卒業後は三井鉱山に入社し、技術者としてのキャリアをスタートさせました。

1936年には、石炭液化工業の視察のためドイツへ出張しています。この経験が、後の満州での合成燃料工場建設に繋がりました。1937年からは、満州合成燃料錦州工場の設計・建設に従事し、日本の燃料確保に貢献しました。

1942年には、朝鮮飛行機製作所長に就任し、戦時下の航空機生産を担いました。1944年には、日本人造石油取締役に出向するなど、日本のエネルギー政策にも深く関与しました。

戦後は、1946年5月11日に貴族院議員補欠選挙で当選し、貴族院男爵議員に就任しました。公正会に所属し、1947年5月2日の貴族院廃止までその職を務めました。

親族

紀俊忠の家族構成は以下の通りです。

養母: 紀美稔（山本晟忠五女）
妻: 紀富美子（養父長女）
長男: 紀俊行

まとめ

紀俊忠は、技術者として日本の産業発展に貢献し、貴族院議員として政治にも関わった人物でした。彼の足跡は、日本の近代史における重要な一ページを飾っています。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第14版 上』人事興信所、1923年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
和歌山県史編さん委員会編『和歌山県史 人物』和歌山県、1989年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
霞会館華族家系大成編輯委員会編『平成新修旧華族家系大成 上巻』社団法人霞会館、1996年。

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