紀元前576年

紀元前576年は、古代ローマではローマ建国紀元178年として知られていました。この年は、ヨーロッパで西暦（キリスト紀元）が広く使われるようになる以前の時代であり、各地域で異なる紀年法が用いられていました。例えば、日本では皇紀85年、綏靖天皇6年、中国では周の簡王10年、魯の成公15年などとされていました。

この年、中国では春秋時代の混乱期を反映する出来事が数多く記録されています。

諸侯の会合と盟約: 晋の厲公、魯の成公、衛の献公、鄭の成公、曹の成公、宋の世子成、斉の国佐らが戚で会合し、同盟を結びました。しかし、その後の情勢は安定せず、各国間の対立や紛争が頻発しました。
晋による曹の君主捕縛: 晋は曹の成公を捕らえ、洛陽に送りました。これは、晋が周辺諸国に対して強い影響力を持っていたことを示す出来事です。
楚の侵攻: 楚は鄭に侵入して暴隧に達し、さらに衛にも侵入して首止に及びました。これに対し、鄭の子罕（公子喜）が楚に侵入し、新石を奪還しました。楚の勢力が拡大し、周辺諸国を脅かしていた様子が窺えます。
宋の内乱: 宋では、蕩沢（子山）が公子肥を殺害するという内乱が発生しました。華元が晋に亡命しましたが、魚石がこれを引き止め、蕩沢の処断を条件に帰国させました。その後、華喜と公孫師が蕩氏を攻撃し、蕩沢を殺害しました。内乱の結果、魚石は楚に亡命しました。宋国内の権力闘争が激化していたことがわかります。
呉との会合: 晋の士燮、斉の高無咎、魯の叔孫僑如、宋の華元、衛の孫林父、鄭の公子鰌らが呉と鍾離で会合しました。これは、呉が当時、台頭しつつあったことを示唆する出来事です。
許の遷都: 許が葉に国を遷しました。これは、許が政治的、軍事的な理由で拠点を移動させたと考えられます。

この年には、仲嬰斉という人物が亡くなり、また、宋の共公が亡くなりました。

紀元前576年は、中国の春秋時代において、諸国間の複雑な関係や、国内の権力闘争が頻発した年でした。各国の動向は互いに影響を与えあい、情勢は常に変動していました。この年の出来事は、春秋時代の動乱期を象徴するものであり、後の歴史に大きな影響を与えることになります。

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