紀淡連絡道路

紀淡連絡道路の概要

紀淡連絡道路（きたんれんらくどうろ）は、和歌山県和歌山市と兵庫県洲本市（淡路島）を結ぶ道路の計画であり、紀淡海峡を横断することを目的としています。この道路は地域高規格道路候補路線に指定されており、地域の交通インフラの重要な一翼を担うことが期待されています。

背景

この道路の構想は1965年にさかのぼります。国連調査団による「ワイズマンレポート」で、第二東西道路の一部として提案され、さらに1969年の新全国総合開発計画でも東海南海連絡道路として位置づけられました。その後1987年には、第4次全国総合開発計画の中でも大阪湾環状交通体系として重視されました。

紀淡連絡道路の実現に向けては、関西と四国の自治体や経済団体がさまざまな推進活動を行っています。特に現在存在する大鳴門橋と併せて、淡路島を経由することで南近畿と四国（徳島県）を道路で結ぶ重要性が強調されており、その意義は地域経済の発展にも寄与することが期待されています。

本州側の起点は和歌山市の北西端、関西国際空港がある大阪府泉南地域との境に位置していますが、これにより直線距離が近いにもかかわらず従来は阪神地区経由や南海フェリーを利用する必要があり、交通の便が悪い状況にあります。

過去の海運サービス

紀淡海峡では1899年から旅客船の運航が行われていましたが、現在はそのサービスは消失しています。また、かつては深日海運や南海淡路ラインなどの航路が存在していましたが、現在はこれらも廃止または休止となっており、2017年からは期間限定で実証実験が行われています。

計画の内容

紀淡連絡道路のルートは、和歌山県和歌山市の阪和自動車道や京奈和自動車道との交点から出発し、友ヶ島を経て兵庫県洲本市の神戸淡路鳴門自動車道との接続点へと至る約40キロメートルの構想です。そのうち海峡部分は約11キロメートルを占めます。これが実現することで、大阪湾を囲む環状道路が形成されることとなります。

橋梁の設計

紀淡連絡道路実現期成同盟会が提案する案によると、友ヶ島を経由する独立した道路用の橋が架設される予定です。また、淡路側の由良瀬戸には超長大吊橋が建設される計画があり、この橋は中央支間長が2,100メートルから2,500メートルの範囲で世界記録を打ち立てる可能性があります。一方で、建設にかかるコストや需要の見通しが課題になっています。

鉄道との連携

さらに、紀淡連絡道路の構想には鉄道併用橋の案もあり、四国新幹線がこのルートを通る計画が提唱されています。この場合、紀淡海峡大橋の下を新幹線が通る形となり、和歌山経由で関西国際空港へのアクセスが向上することが期待されています。

実現に向けた活動

紀淡連絡道路は、多くの自治体や経済団体に支えられながら推進されています。紀淡連絡道路実現期成同盟会は1992年に設立され、関西と四国の24の市町村が参加しています。また、紀淡海峡交流会議や大阪湾環状紀淡連絡道路建設推進協議会など、さまざまな関係団体がこのプロジェクトを推進するために活動を行っています。

この道路の建設が実現すれば、関西地域の経済文化圏の発展や国際化に寄与し、交通ネットワークの強化に繋がることが期待されています。

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