新全国総合開発計画

新全国総合開発計画（新全総）

新全国総合開発計画（しんぜんこくそうごうかいはつけいかく）は、1969年（昭和44年）に策定された日本の第2次全国総合開発計画です。この計画は「豊かな世界の創造」を掲げ、その目標を達成するために大規模開発プロジェクト方式を採用しました。大規模開発プロジェクトは、主に全国にわたる交通網の整備や産業開発に関するものであり、高速道路や高速幹線鉄道、通信網の構築が含まれています。

第二次全国総合開発計画の策定は、1969年5月30日であり、目標年次は1985年（昭和60年）に設定されました。基本目標としては、豊かな環境の創造があげられ、開発方式としては大規模プロジェクト構想が選ばれました。

時代背景

この計画が策定された時期は、日本が高度成長経済を迎えていた時代であり、人口や産業が大都市に集中し、情報化、国際化、技術革新が進展していました。このような背景の中、大規模工業開発の候補地としては苫小牧、陸奥・小川原（後に「むつ」と表記）や西南地域（山口・愛媛・福岡・大分・宮崎の各県を囲む瀬戸内沿岸地域および志布志湾）が挙げられました。

計画の評価

新全国総合開発計画は、高度経済成長を背景に、全国の開発志向が強く、特に交通ネットワークの整備において顕著な進展を見せました。今日の日本の主幹線となる交通インフラは、この計画によるものであると評価されています。しかし、一方で大規模工業開発については、その後の用地の処分などに関して苫小牧東やむつ・小川原の地域が苦しんでいる様子を見れば、この計画の成否は明らかです。西南地域でも工業が発展した場所もありますが、これも前の計画に基づく新産業都市が要因であり、この計画自体によるものとはいえません。

また、志布志湾においては、後背地である畜産地帯への飼料供給基地として一定の役割を果たしています。国際情勢においては、ニクソンショックや第一次石油危機が発生し、これにより日本経済は大きな打撃を受けました。これらの出来事は地価の高騰やインフレを引き起こすなど、社会経済環境の悪化をもたらしました。

結果として、この計画の結果を待たずに、1977年（昭和52年）には三次全国総合開発計画が策定されることとなります。新全国総合開発計画は、開発の強化を試みつつも、その後の経済状況や地域開発の形を大きく変える要因となりました。今後の日本における地域開発政策やインフラ整備に与えた影響は大きく、今日の日本の発展に寄与しています。

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