紅 (Xの曲)

『紅』— X JAPANの象徴的な楽曲

「紅（くれない）」は、日本のロックバンドX JAPANの3枚目のシングルとして1989年9月1日にリリースされました。これにより彼らはメジャーデビューを果たし、以降のキャリアに大きな影響を与えた楽曲となります。その人気は1989年の日本有線大賞の最優秀新人賞を受賞したことや、1992年には『第43回NHK紅白歌合戦』でのパフォーマンスに見ることができます。また、ファン投票によって収録曲が選ばれたベストアルバム『X JAPAN BEST 〜FAN'S SELECTION〜』では堂々の1位を獲得しました。

楽曲の概要

「紅」は、X JAPANのメジャー・デビューアルバム『BLUE BLOOD』からリカットされた曲ですが、シングルバージョンでは前奏のストリングスが省略され、HIDEによる繊細なアルペジオが印象的な静かなオープニングから、激しいメタルへと展開します。シングルのエンディングには、1989年6月10日に日比谷野外音楽堂で行われたライブの録音が収録されています。

カップリング曲には、T・レックスの「20センチュリー・ボーイ」のライブバージョンが収録されています。この曲はHIDEのスラッププレイが目立ち、観客とのモンキー・ダンスも定番となっていました。このように、多くのファンに親しまれる中で、「紅」は印象深い楽曲へと成長しました。

歴史と変遷

インディーズ時代にはリメイクを重ね、一時はボツ曲にされていましたが、HIDEとTAIJIの手によって現在のメロディが作り上げられました。初期のインディーズ盤では、歌詞の一部が「何かに追われるよう」な内容でしたが、メジャー盤においてはより洗練されたアレンジが施され、現在の形となっています。

また、1988年の音楽雑誌『ロッキンf』の付録として、ソノシートに「紅 (Original Japanese Version)」が収録されました。これは歌詞が英語版の「KURENAI」と日本語版が混ぜられた形になっており、サビ部分の歌詞も他のバージョンとは異なっていたりします。2023年現在、このバージョンは商品化されていません。

ライブとパフォーマンス

「紅」はほとんどのX JAPANのライブで演奏され、特にToshlが曲名を叫ぶ瞬間が恒例となっています。彼の「クレナイだーっ!!」という叫びは、曲の認識の一環ともなっており、観客の盛り上がりを呼び起こす効果があります。この演出は1992年の紅白歌合戦時にも見られました。また、解散前や再結成時はHIDEの映像も使用され、非常に感慨深いパフォーマンスが展開されています。

評価と影響

音楽メディア『BURRN!』のレビューでは、当初この曲が「佳曲」と評価されつつも、ボーカルに関しての改善を求められる声もありました。しかし、曲自体のクオリティは高く、多くのファンに支持されています。この曲は発売から30年以上経過しても、全国の高校野球の応援曲や音楽ゲームなど、様々な場面で用いられ続けています。

YOSHIKIはこの曲に対し「ちょっと悲しくても、前向きな力を与えたいと思って作った」と語っており、歌詞には深い意味が込められています。日本の青春や痛みを象徴する「紅」は、今後も多くの人々に愛され続けていくことでしょう。

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