紅子 (人物)

紅子の色街探訪記

紅子は、異色の経歴を持つ写真家であり、YouTuberとしても活躍しています。彼女は元々、吉原の高級ソープランドで働いていた経験を持ち、AV出演も経験しています。現在は、自らを「色街写真家」と名乗り、風俗街、赤線、遊郭跡地などを撮影し、写真集として発表する傍ら、YouTubeチャンネル「紅子の色街探訪記」で過去の風俗体験を赤裸々に語っています。

生い立ちと風俗の世界へ

紅子は1972年、双子の姉として生まれました。幼少期から性的なものに強い興味を持ち、風俗業界へ足を踏み入れます。18歳でピンクサロンに就職後、吉原、川崎堀之内、歌舞伎町など、関東各地の風俗街を13年以上転々としました。当初は苦労も多かったものの、やがて吉原の高級ソープランド「ピカソ」に移籍し、そこで働く中で、この世界で生きていくことを決意します。

写真家、そしてYouTuberへ

ソープランド嬢を引退後、紅子は写真家としての活動を始めます。全国の遊郭跡地や風俗街を巡り、日本の性文化を記録する傍ら、YouTubeチャンネルを開設し、自身の体験や色街の歴史について語り始めました。彼女のチャンネルは、エロスと文化、そして哀愁やユーモアが入り混じった独特の語り口が人気を博し、多くのファンを獲得しています。

表現に込める想い

紅子は、性に関する書物や昭和のエロに強く惹かれ、一般的に下品とされるものにロマンや文化を感じると語ります。彼女の作品には、過去の自分への後悔や、風俗という道のりを歴史的に捉え直したいという想いが込められています。また、YouTubeでの活動を通じて、過去の自分を取り戻し、なかったことにしたくないという気持ちを表現しています。

多様な活動

紅子は、写真集の出版やYouTubeでの活動の他にも、フェミニズム雑誌への写真作品の提供や、成人向け雑誌での連載など、幅広い分野で活躍しています。2022年には、スケベ椅子を模したキーホルダー「すけ紅椅子」を考案・発売するなど、ユニークな活動も展開しています。

人物像

紅子はシングルマザーであり、息子を育てながら活動を続けています。YouTubeでの活動がきっかけで仕事が増えたものの、生活は決して楽ではなく、アルバイトをしながら息子と二人暮らしをしています。過去にはクリスチャンであった時期もありましたが、現在は「聖よりも性」が自分にふさわしいと語り、独自の道を歩んでいます。

紅子の活動は、タブー視されがちな性風俗の世界に新たな光を当て、多くの人々に共感と感動を与えています。彼女の作品は、日本の性文化を記録する貴重な資料であるとともに、彼女自身の人生を表現したアート作品としても高く評価されています。

写真集

写真集『紅子の色街探訪記』（カストリ書房）
シモーヌ(Les Simones)VOL.5 （シモーヌ編集部、2021年11月22日発行）

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