納谷幸男

納谷幸男のプロレスラーとしての軌跡

納谷幸男（なや ゆきお）は、1994年8月17日に東京の江東区で生まれた日本のプロレスラーであり、現在DDTプロレスリングに所属しています。彼の家族には特筆すべき背景があり、父親は元関脇の貴闘力、母親は第48代横綱・大鵬幸喜の三女という強力な血筋を持っています。このため、彼の生い立ちは相撲一家の中で育ったと言えるでしょう。

幼少期から相撲への道

納谷は男4兄弟の長男として誕生しましたが、幼少期から父親の強い意志によって相撲の道に押し込まれることになりました。父親の貴闘力は四兄弟すべてを力士に育てることを決意し、幼稚園の頃から厳しい練習が始まります。逃げようとすると父に捕まり、場合によっては祖父の家に逃げ込むこともありました。そんな環境の中、彼は自分が相撲を嫌いだという感情を抱きながらも「力士になりたい」と作文に書かざるを得なかったのです。

経済面では、他の相撲部屋の同世代の子供たちと比べて恵まれていたわけではなく、お年玉も父親に全て使われるなど厳しい生活が続きました。父の賭博癖が家計に影響を及ぼしていたこともあり、納谷はそれを見て育ちました。

中学時代の苦悩

彼は中学1年生の時に相撲留学をしましたが、わずか2ヶ月で帰宅。そこでの上下関係に驚き、嫌悪感を抱きました。父に泣いてその留学をやめさせてほしいと懇願しましたが、無理やり連れて行かれたため、納谷は精神的に追い詰められることに。結局、彼は東京に戻ることができ、その後は相撲をやらずに普通の中学生として過ごしました。

高校からの転機

埼玉栄高校に進学し、相撲部に入部したものの、練習は1年で辞めることに。彼は自分の意志でキックボクシングを始めたことが新たな転機となりました。その後、2013年に佐山聡率いる掣圏真陰流に入門し、本格的に格闘技の世界に足を踏み入れました。

プロレスデビュー

2017年には、リアルジャパンプロレスの後楽園ホール大会でプロレスデビューを果たします。驚くべきことは、デビューまでに4年半の歳月を要したこと。デビュー後、2019年にDDTプロレスリングに移籍し、新たなステージで成長していきます。注目すべきは、父親との関係が修復され、プロレスを通じて父親の姿を見直したことです。

輝かしい業績

2022年11月にはD王 GRAND PRIX 2022に初出場し、KO-D無差別級王座保持者を破るなどの快進撃を見せました。また、2023年のD王 GRAND PRIX 2023でも決勝進出を果たし、見事優勝を達成しました。

得意技と今後の展望

納谷は、世界一のバックドロップやチョークスラムといった多様な技を駆使し、プロレス界での存在感を高めています。今後も彼の活躍に期待が寄せられています。プロレス界での彼の道のりは、家族の影響や困難を乗り越えた努力の結晶として、多くのファンに感動を与え続けることでしょう。

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