純貞孝皇后

純貞孝皇后尹氏について

純貞孝皇后尹氏（じゅんていこうこうごう いんし）は、大韓帝国の皇帝・純宗の2番目の妃として知られています。彼女は海平尹氏の出身で、光武8年（1904年）に京畿道楊根郡で生まれました。その本名は曾順（そじゅん、ジュンスン）で、若くして運命の道を歩むこととなります。特に、彼女が12歳という若さで皇太子の継妃に選ばれたことは、当時の社会でも驚きをもって受け止められました。

若い皇后の誕生

彼女が皇太子妃として冊封されたのは光武10年（1906年）のことでした。この選ばれた背景には、彼女の父親と高宗の妃であった純献皇貴妃との間での巨額な賄賂の噂が流れるなど、当時の権力関係が影を落としていました。そして、翌年には夫である純宗が即位し、彼女は正式に皇后となりました。

日本による併合とその後の生活

彼女の人生はその後、日本による日韓併合により大きく変化します。隆熙4年（1910年）8月には李王妃に変わり、初めは昌徳宮の大造殿で生活を始めましたが、1926年4月には楽善斎に移ります。この時期、彼女はさまざまな役割を果たし、平和を求めた活動も行いました。

朝鮮戦争と戦後の生活

1950年、朝鮮戦争が勃発した際、彼女は昌徳宮に侵入しようとする人民軍の兵士たちに立ち向かうという逸話も残っています。しかし、戦況が悪化する中で、1951年にはアメリカ軍の保護のもとで宮殿を離れ、釜山で避難生活を余儀なくされました。

戦後の再建

1953年の休戦後、皇后としての地位を復活させることを試みましたが、当時の李承晩大統領による妨害により実現はしませんでした。その後、彼女はソウルの貞陵の修仁斉に住むことになります。

晩年と宗教

1960年には昌徳宮に戻ることができ、同時に日本から帰国した徳恵翁主や李垠・方子夫婦と共に生活を共にしました。晩年には仏教に帰依し、「大智月」という法名を受け、また国文学や仏典の研究を続けながら英語の学習も行い、いわゆる生涯学習に励む姿勢を見せました。

最期と葬儀

1966年2月3日、昌徳宮の錫福軒において心臓麻痺で逝去し、彼女の葬儀は国葬として執り行われました。遺体は京畿道楊州郡にある裕陵に、皇帝純宗と共に埋葬されました。

彼女の称号と栄典

純貞孝皇后尹氏は数多くの称号を持ち、大韓帝国の皇太子妃、皇后、さらには皇太后としても知られています。また、日本統治下では昌徳宮李王妃や李王大妃としての称号も持っていました。
彼女の努力と貢献は、今でも多くの人々に記憶されています。

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