素。

阿部真央の3枚目のアルバム『素。』は、2011年6月1日にポニーキャニオンからリリースされました。前作『ポっぷ』から約1年5ヶ月ぶりとなる本作は、阿部真央の赤裸々な感情や考えが込められた作品となっています。

2010年にリリースされたシングル「ロンリー」「19歳の唄」、アルバムの先行シングル「モットー。／光」、そして2010年のライブツアーで初披露された「ストーカーの唄 〜3丁目、貴方の家〜」を含む、全13曲が収録されています。当初は2月に発売予定でしたが、阿部真央の声帯治療のために発売が延期されました。

収録曲は、アルバムタイトルが示す通り、阿部真央自身の気持ちをストレートに表現した楽曲が中心です。「じゃあ、何故」「なめとんか」「走れ」の3曲は高校時代に書かれたもので、その他は上京後に制作されました。これらの楽曲からは、彼女の音楽的なルーツと、上京後の環境での変化が感じられます。

ジャケットには、先行シングル「モットー。／光」と同じ写真が使用されていますが、シングル版ではモザイクがかかっていた目の部分が、アルバム版でははっきりと見えるようになっています。これは、より素の自分をさらけ出したいという、阿部真央の思いの表れかもしれません。

収録曲の「for ロンリー」は、2014年にAimerによってカバーされました。阿部真央自身もボーカルとして参加しており、Aimerのミニアルバム『誰か、海を。EP』に収録されています。このカバーは、阿部真央の楽曲が持つ普遍的な魅力を改めて示したと言えるでしょう。

アルバムには、豪華なミュージシャンが参加しています。根岸孝旨がベース、佐野康夫がドラムス、西川進がエレキギターを担当し、楽曲に深みを与えています。また、TRICERATOPSの吉田佳史、弥吉淳二、本間昭光など、多彩なミュージシャンがそれぞれの個性を発揮しています。

『素。』に収録されている楽曲は、タイアップとしても注目を集めました。「痛み」は毎日放送『女性ホルモン分泌バラエティー 全力☆が〜る』のエンディングテーマ、「モットー。」はTBS系『くらべるくらべらー』、テレビ東京系『JAPAN COUNTDOWN』、フジテレビ系『志村軒』、JFN『志村けんのFIRST STAGE〜はじめの一歩〜』、SKI JAM CMソングとして使用されました。また、「ロンリー」はカルピスウォーターのCMソングや日本テレビ系『ハッピーMusic』のオープニングテーマに起用され、幅広い層に親しまれました。

阿部真央の『素。』は、彼女の音楽的な才能と内面的な魅力を存分に味わえるアルバムです。ぜひ、彼女の歌声を通して、そのメッセージを受け取ってみてください。

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