紫川信号場

紫川信号場について

紫川信号場（むらさきがわしんごうじょう）は、かつて福岡県北九州市小倉北区に存在した、九州旅客鉄道（JR九州）鹿児島本線と日豊本線の信号場です。両線が重複する区間に位置していましたが、実質的には鹿児島本線の単独信号場として運用されていました。この信号場は、小倉駅構内の紫川橋梁改良工事のために一時的に設けられたもので、工事完了と共にその役割を終え、現在は廃止されています。

設置の背景

紫川信号場が設置された背景には、小倉駅にほど近い紫川に架かる橋梁の改良工事がありました。この工事では、工事スペースを確保する必要があり、橋梁部分の貨物線が単線化されることになりました。この単線化に対応するために、信号場が設けられました。この信号場は、あくまで工事期間中の一時的な措置として設置されたものであり、工事完了後はその役目を終えることが予定されていました。

歴史

紫川信号場の歴史は比較的短く、2000年（平成12年）9月11日に開設されました。その後、2015年（平成27年）頃に廃止され、現存していません。約15年間という短い期間ではありましたが、橋梁工事という重要な役割を支える上で重要な役割を担いました。

構造

紫川に架かる橋は、以前はガードのない鉄橋でしたが、信号場設置に伴い、貨物線の単線化と合わせて、鹿児島本線の下り線部分に単線型の仮設鉄橋が最初に設置されました。その後、貨物線から順に2線ずつコンクリート橋への改修工事が進められました。2003年（平成15年）10月中頃には、貨物線部分の工事が終わり、鹿児島本線の上り線部分の工事が開始されました。貨物線部分と上り線部分は既にバラスト軌道が完成していました。一方、日豊本線部分は未着工の鉄橋であり、コンクリート橋で完成済みの鹿児島本線部分と比較すると、線路の高さが一段低い状態でした。

2007年（平成19年）11月17日深夜から18日未明にかけて、鹿児島本線の下り線が仮設鉄橋から上り線部分へ移設され、仮設鉄橋部分は一時的に使用停止となりました。2008年（平成20年）11月20日時点では、下り線と仮設鉄橋部分に新たなレール、枕木、バラストが整備され、2009年（平成21年）1月1日から2日にかけて、日豊本線の上り線と下り線も仮設線路に切り替えられました。これらの仮設切替後、日豊本線部分の改修工事が開始される予定でした。北九州市の都市計画の一環として行われたこの橋梁改修工事は、2011年（平成23年）度まで続く予定となっていました。

隣接駅

紫川信号場は、鹿児島本線と日豊本線の小倉駅と西小倉駅の間に位置していました。ただし、信号場であるため、旅客の乗降は行われませんでした。

九州旅客鉄道（JR九州）

* 鹿児島本線・日豊本線: 小倉駅 - （紫川信号場） - 西小倉駅

その他

紫川信号場は、日本の信号場一覧にも掲載されています。この信号場は、鉄道インフラの改良工事において、一時的に設けられる信号場の一例として、記録に残されています。

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