紫頭巾

紫頭巾（むらさきずきん）

『紫頭巾』は、寿々喜多呂九平による日本の時代劇で、江戸時代の背景を舞台にした物語が展開されます。また、時代劇『江戸を斬る』シリーズで登場する謎の覆面剣士としても知られています。

概要

この作品は1923年に公開された映画『浮世絵師 紫頭巾』が初出となり、寿々喜多呂九平のデビュー作となりました。この物語は、江戸時代の天明期に設定されています。当時、老中の田沼意次による金権政治が市民を困らせており、意次とその息子・意知は悪徳の象徴として広く知られていました。そんな非道な世情に立ち向かう正義の味方が、秘剣術『修羅八双』を使う覆面剣士『紫頭巾』です。彼は市民の希望となり、その活躍により庶民からの人気を集めます。実は、紫頭巾の正体は浮世絵師・狩田秀麿だったのです。

映画作品

『紫頭巾』は、その後も数回映画化されており、1923年の『浮世絵師 紫頭巾』から始まり、1936年、1949年、1958年、1963年にかけて多くの作品が生まれています。

1923年版『浮世絵師 紫頭巾』

1923年に公開されたこの映画は、寿々喜多呂九平が脚本を手掛け、金森万象が監督を務め、市川幡谷が主演しました。この作品は画面展開のスピード感や物語の怪奇ロマン的要素が特徴的で、真剣を用いたリアルな立ち回りが話題となり、大ヒットを記録しました。

1958年版『紫頭巾』

1958年に公開されたこの版も人気を博し、キャストには片岡千恵蔵が紫頭巾役を務めました。また、多様なスタッフが参加し、クオリティの高い映像が評価されました。さらにこの映画は東映が配給しました。

テレビドラマ

1961年には、関西テレビとフジテレビが共同制作したモノクロのテレビドラマが放送されており、全15話が制作されました。この作品では、紫頭巾が尺八を持った謎の虚無僧として登場し、その独自のスタイルで活躍します。主演は夏目俊二が務めました。

1972年版も制作され、全26話のカラー放送が行われました。このシリーズでは主人公の仮の姿が狩田秀麿ではなく、扇喬之介となり、物語は『紫頭巾事件帖』と改題されています。

1982年には『紫頭巾 黄金の秘密』と『紫頭巾 京洛の大粛清』というタイトルで2作がフジテレビの『時代劇スペシャル』で放送されました。

まとめ

『紫頭巾』は時代を超えて多くの映像作品として生まれた日本の名作です。江戸時代の権力に立ち向かう正義の剣士、紫頭巾の物語は、今なお多くの人に愛されています。この作品は、日本の時代劇文化の象徴とも言え、未来の作品にも影響を与え続けているでしょう。

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