細川之持

細川之持の生涯

細川之持（ほそかわ ゆきもち）は、戦国時代の武将であり、阿波国を守護した人物です。彼は文明18年（1486年）に父・細川義春の長男として誕生しました。父・義春は備中国守護、細川勝久の養子だったため、一族の名を受け継いだ形となります。

細川之持の名前には、祖父・細川成之から「之」、大伯父・持常から「持」の字を受け取ったと考えられています。彼は若干の歳で家督を継いだのですが、その道のりは必ずしも平坦ではありませんでした。長享2年（1488年）、伯父である政之が亡くなったため、急遽実家に戻り阿波守護を継ぐこととなりましたが、その後、父は明応6年（1497年）に早世してしまいます。このため、之持は祖父の後見を受けて家督を相続することになります。

それにもかかわらず、年齢的にも未熟だったため、実質的に政務を執るのは祖父・成之であり、之持が守護としての役割を果たしたと言えるかは難しい状況でした。成之が健在な間、之持は政務に深く関与することはなく、むしろ中央の争乱に巻き込まれていったとされています。特に、細川澄元が擁立した11代将軍・足利義澄の息子である義維を阿波平島荘に匿い育てたことは、彼の短い生涯における重要な出来事でした。

しかし、同時に彼は細川高国という対立相手が登場したことで、勢力を落とすことになります。高国は自派の守護として、従弟である細川国豊を備中国に送り込んだため、之持は次第に影響力を失っていきました。

之持は永正9年（1512年）1月、祖父の死の数ヶ月後に死亡したと記録されていますが、別の説では天文2年（1533年）に死去したともされています。彼の死後は子の氏之（持隆）が跡を継ぎ、家を受け継ぐことになります。しかし、之持までの3代にわたる阿波細川家は人材が次々と早世し、また大黒柱であった成之の死により急激に衰退していくことになりました。

系譜

• - 父：細川義春（1468-1495）
• - 母：不詳
• - 妻：不詳
• - 男子：細川氏之（持隆）?（1516/1497-1553、細川澄元の子ともされる）
• - 女子：久米義広の妻

細川之持の人生は、戦国の危機的な状況下における若き守護としての苦悩と短い生涯を象徴しており、彼の存在は阿波細川家の歴史において重要な位置を占めています。

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