細川利重

細川利重 - 肥後新田藩の初代藩主

細川利重（ほそかわ とししげ）は、江戸時代前期に活躍した武士で、肥後新田藩の初代藩主として知られています。彼の生涯は、いくつかの重要な出来事や業績に彩られています。

生い立ちと背景

利重は、正保3年（1647年）12月15日に生まれました。父は熊本藩主・細川光尚（光利）であり、母は側室の清光院です。彼は光尚の次男として、将来的には藩の中枢を担う存在になることが期待されていました。

昇進と立藩

万治3年（1660年）、利重は従五位下、若狭守に叙任され、その後の寛文2年（1662年）3月には兄である熊本藩主・綱利から5000石を与えられました。さらに寛文6年（1666年）には、綱利から3万5000石を加増されることで、彼は熊本新田藩主として独立した藩を立藩することとなります。この時期に藩の基盤を築くために様々な施策を講じたと言われています。

政治的な役割

藩主としての利重は、幕府の要職にも関わることがあり、特に江戸においての勅使接待役としての任務を担っていました。これは、藩の威信を高め、政治的な力を強化するための重要な役割であり、彼はこれを通じて熊本新田藩の地位を固めていきました。

屋敷と水路の開削

江戸郊外の戸越周辺には、利重が管理する領地と抱屋敷がありました。現在の戸越公園に該当するこの地域では、屋敷の泉水の水源として玉川上水から屋敷までの長大な水路、通称「戸越上水」を開削しました。この水路は高評価を受け、細川家による水路管理は数年で廃れましたが、当時の品川の民間からの請願により、その後は民間管理のもと継続されました。これにより、品川各地の生活や農業用水が確保される結果となり、地域の発展に寄与しました。

晩年と死去

利重は、貞享4年（1687年）8月15日に死去しました。享年は42歳でした。彼の死後、長男の利昌が藩主を継ぎ、利重の政策や業績はその後に引き継がれることとなります。

家族と系譜

利重の家庭は、父の細川光尚、母の清光院、正室には細川興隆の娘である亀姫（顕寿院）が正妻として迎えられました。また、側室には篠山氏の高正院がいたことが知られています。子供には長男の細川利昌、次男の細川宣紀、そして清涼院（後の細川有孝正室）、久我惟通の室などがいました。さらに養女として細川綱利の四女である松平直丘室を迎えています。

細川利重は、短い生涯の中で、肥後新田藩を発展させ、地域の水利管理にも寄与した影響力のある人物と言えるでしょう。

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