細谷雄一

細谷雄一

細谷雄一（ほそや ゆういち、1971年8月13日 - ）は、国際政治史、特にイギリス外交史を専門とする日本の著名な国際政治学者です。慶應義塾大学法学部教授として教鞭を執り、国際政治の理論と実践に関する深い知見を提供しています。

来歴と学歴

千葉県市川市で生まれ、立教高等学校を経て立教大学法学部へ進学。学部時代は北岡伸一、大学院では田中俊郎に師事し、国際政治学の基礎を築きました。在学中にはオランダ国立リンブルグ大学ヨーロッパ研究センターへ留学し、ヨーロッパ研究に触れています。

1994年に立教大学を卒業後、慶應義塾大学大学院法学研究科へ進み、その後イギリス・バーミンガム大学大学院で国際関係学修士を取得。帰国後、慶應義塾大学大学院博士課程を修了し、2000年に博士（法学）の学位を取得しました。

職歴と研究活動

北海道大学大学院法学研究科・法学部専任講師、敬愛大学国際学部専任講師を経て、2004年より慶應義塾大学法学部専任講師、助教授、そして教授へと昇任。プリンストン大学やパリ政治学院での客員研究員も務め、国際的な研究ネットワークを構築しています。

現在は、中曽根世界平和研究所上席研究員、日本国際問題研究所上席客員研究員、外交専門誌『外交』の編集委員、アジア・パシフィック・イニシアティブ上席研究員兼常務理事 兼 研究主幹など、数々の要職を兼任し、活発な研究活動を展開しています。特に、『API 地経学ブリーフィング』や『API 国際情勢ブリーフィング』の編集長として、地経学や国際情勢に関する最新の情報発信に貢献しています。

受賞歴

2002年に『戦後国際秩序とイギリス外交』でサントリー学芸賞を受賞。2010年には、『外交による平和』で政治研究櫻田会奨励賞、また『倫理的な戦争』で読売・吉野作造賞を受賞するなど、その研究成果は高く評価されています。

政治との関わり

外務省外交記録公開促進員会委員を務めたほか、安倍晋三政権下では、「安全保障と防衛力に関する懇談会」委員や「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員を歴任。集団的自衛権の行使容認に関する議論にも参加しました。また、国家安全保障局顧問や自民党「歴史を学び、未来を考える本部」アドバイザーなども務めています。菅義偉政権下では、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議メンバーに選ばれるなど、政策立案にも深く関与しています。

その他の活動

国際政治チャンネルにレギュラー出演するほか、戦略国際問題研究所 (CSIS) の報告書で引用された発言が一部報道で誤解を招いた際には、速やかに修正を求めるなど、言論の正確性にも配慮しています。

日本国際政治学会、日本EU学会、日本政治学会、国際安全保障学会などの学会に所属し、グレートブリテン・ササカワ財団理事も務めています。

著書

多数の著書を執筆しており、代表的なものとして、『戦後国際秩序とイギリス外交』、『外交による平和』、『大英帝国の外交官』、『倫理的な戦争』、『国際秩序』、『戦後史の解放』などがあります。これらの著作を通じて、国際政治史や外交、安全保障に関する深い洞察を提供しています。

専門分野

• - 国際政治史
• - イギリス外交史
• - 国際秩序論
• - 日本外交

もう一度検索