経ヶ岬灯台

経ヶ岬灯台：歴史と自然が織りなす絶景の灯台

経ヶ岬灯台は、京都府京丹後市丹後町袖志、丹後半島の最北端に位置する灯台です。その美しい姿は、日本海航路の安全を守り続けています。明治時代に建設された灯台は、国の重要文化財にも指定されており、歴史的価値と美しい景観を兼ね備えた観光名所としても知られています。

概要

• - 所在地: 京都府京丹後市丹後町袖志
• - 重要文化財指定: 2022年12月12日
• - 特徴:

- 日本最大級のフレネル式1等3連閃光レンズを採用
- Aランク保存灯台
- 「日本灯台50選」や「京の百景」に選定

地理

経ヶ岬は、山陰海岸ジオパークの東端に位置し、海抜140メートルの断崖絶壁が続く景勝地です。灯台は、その岬の中腹に位置し、周囲の雄大な自然と調和した美しい景観を作り出しています。灯台を陸上から眺められる場所は限られており、伊根町蒲入の物産館付近や、海岸まで降りて岩場から見上げるのがおすすめです。

歴史

経ヶ岬灯台は、日本の近代的な灯台建設事業が始まった明治時代に建設されました。日清戦争後、海運助成政策が推進される中で、航路標識整備の一環として建設が進められました。1896年に着工し、1898年12月25日に初点灯。当時の金額で約10万円余りの国費が投じられました。建設当時としては日本海域屈指の灯台として注目を集め、経ヶ岬一帯は観光地として発展しました。

軍事拠点としての側面

経ヶ岬灯台は、気象観測の重要な地点であるとともに、軍事的な役割も担っていました。日露戦争以前から軍事の秘密が記録されており、舞鶴鎮守府が開庁された際には、山頂に監視台が設けられ、水兵が常駐していました。

海上保安庁への移管とその後

1948年に海上保安庁の管轄となり、1973年に自動制御化されました。しかし、現在も海上保安庁の職員が5日間交代で灯台守として常駐し、灯台の管理と整備点検を行っています。

構造

灯台の高さは地上から頂部まで12メートル。白色の円形石造の灯台です。灯台の石材は、経ヶ岬から切り出されたものが使用されています。灯台のレンズは、フランス製のフレネル式1等3連閃光レンズで、日本最大級の大きさを誇ります。このレンズは、水銀槽に浮かべて回転させる水銀槽式回転機械によって駆動され、12秒間隔で3連の閃光を発します。

近代化産業遺産、恋する灯台

経ヶ岬灯台は、経済産業省の近代化産業遺産、一般社団法人日本ロマンチスト協会によって「恋する灯台」にも選ばれており、ロマンチックなスポットとしても人気を集めています。

観光

• - 秋の一般公開: 毎年11月1日の灯台記念日に合わせて、内部の一般公開が行われます。
• - 経ヶ岬灯台まつり: 毎年5月6日に地元主催で開催され、灯台の一般公開やトレッキングツアーなどが楽しめます。

アクセス

• - 公共交通機関: 京都丹後鉄道網野駅から丹海バス「間人・経ヶ岬」行き終点下車、徒歩約30分
• - 駐車場: 経ヶ岬園地の駐車場から階段状の山道を徒歩約15分

周辺情報

• - 経ヶ岬: 灯台のある経ヶ岬は、柱状節理の断崖が続く景勝地です。
• - 穴文殊: 文殊菩薩が納められた海蝕洞と九品寺。
• - 経ヶ岬通信所: 在日米軍の通信所。

経ヶ岬灯台は、その美しい姿と歴史的価値から、多くの人々に愛されています。丹後半島を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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