経済企画庁長官官房

経済企画庁長官官房について

経済企画庁長官官房は、かつて存在した経済企画庁の中枢を担う組織でした。この官房は、庁内の機密保持から人事、予算決算、法令案の審査、そして庁全体の総合調整まで、多岐にわたる重要な事務を統括する役割を担っていました。

概要

長官官房は、経済企画庁の運営において、まさに「要」となる存在でした。庁内の機密情報の管理、職員の人事に関する業務、公文書の取り扱い、予算の策定と決算、物品管理など、庁の活動を円滑に進めるための様々な業務を担っていました。また、長官官房長という役職は、大蔵省の事務次官候補が就任するという慣例があり、その重要性が伺えます。

組織

長官官房は、主に以下の三つの課で構成されていました。

1. 秘書課：機密事項の取り扱い、職員の人事、長官や次官の官印の保管、公文書の管理、官報掲載の手続き、行政の考査などを担当していました。また、他の課に属さない事務も担当していました。

2. 会計課：予算と決算、会計監査、行政財産や物品の管理、庁舎の営繕、庁内の取締、職員の福利厚生など、庁の財政と施設に関する業務を幅広く担当していました。

3. 企画課：経済企画庁全体の企画立案、庁務の総合調整、法令案などの文書審査、広報活動、国会との連絡、経済研究所に関わる業務、経済審議会の庶務などを担当し、庁の政策立案と対外的な活動を支えていました。

各課の所掌事務詳細

秘書課

機密に関すること
職員の人事（職階、任命、分限、懲戒、服務など）、教養・訓練に関すること
長官、政務次官、事務次官の官印、庁印の保管
公文書類の接受、発送、編集、保存
官報掲載に関すること
行政の考査
上記以外で、他の所属に属さない事務

会計課

経費と収入の予算、決算、会計、会計監査
行政財産と物品の管理
営繕
庁内の取締
職員の衛生、医療、その他福利厚生

企画課

経済企画庁の所掌事務に関する企画一般
庁務の総合調整
法令案、その他文書の審査、進達
広報
国会との連絡
経済研究所に関すること
経済審議会の庶務

官房長

長官官房の長である官房長は、庁内の事務を統括する重要な役職であり、大蔵省の事務次官候補が就任することが慣例となっていました。これは、長官官房が庁内でいかに重要な役割を担っていたかを物語っています。

参考文献

大西恭一『経済企画庁』教育社〈教育社新書行政機構シリーズ〉、1974年1月。

関連項目

* 経済産業省


この解説は、経済企画庁長官官房の役割と組織について、理解を深める一助となれば幸いです。

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