経済的解放の闘士

経済的解放の闘士（EFF）とは

経済的解放の闘士（Economic Freedom Fighters、EFF）は、南アフリカ共和国のパン・アフリカ主義を掲げる極左政党です。2013年7月27日にソウェトで結党されました。

EFFの成立と背景

EFFは、アフリカ民族会議（ANC）の青年同盟リーダーであったジュリアス・マレマがANCを除名された翌年に設立されました。マルクス・レーニン主義を標榜し、反資本主義、反帝国主義を掲げています。

主な主張は、鉱山や銀行の国有化、再分配のための土地収容などで、若者、貧困層、失業者といった層からの支持が厚いです。

EFFの議席数と影響力

2014年5月の総選挙では、下院400議席中25議席（得票率6.35%）を獲得し、2019年5月の総選挙では44議席（得票率10.79%）に増加しました。しかし、2024年の総選挙では5議席減少し、39議席となっています。

論争と批判

EFFを率いるジュリアス・マレマは、過去に白人（ボーア人）に対するヘイトスピーチで有罪判決を受けています。

南アフリカで歌われた「ボーア人を殺せ」という歌をめぐり、イーロン・マスクが批判を展開。マレマがこの歌の唱和を先導したことに対し、南アフリカの野党党首が国連人権理事会に告発する意向を示すなど、大きな波紋を呼びました。ただし、南アフリカの平等裁判所は、この歌がヘイトスピーチや扇動には当たらないとの判決を下しています。

また、ANCは、ジンバブエの与党がEFFを支援し、ANCの不安定化を狙っていると非難しています。

2019年には、マレマが女性ジャーナリストの電話番号を無断でツイッターに掲載し、脅迫被害を引き起こした事件も発生しました。

さらに、VBS Mutual Bankのスキャンダルでは、マレマや副党首の親族を通じて、資金が不正にEFFに流れた疑惑が浮上しています。

まとめ

経済的解放の闘士（EFF）は、南アフリカにおいて一定の支持基盤を持つ極左政党ですが、その活動や主張は常に論争の的となっています。ヘイトスピーチ問題や資金スキャンダルなど、数々の問題を抱えながらも、南アフリカの政治に大きな影響を与え続けています。

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