結城しのぶ

結城しのぶ：幅広い役柄をこなす実力派女優

結城しのぶ（ゆうき しのぶ）は、1953年11月25日生まれの日本の女優です。千葉県松戸市出身。幼少期から女優を志し、1972年に和洋女子大学に入学しますが、文学座養成所を受験し合格したため、大学1年で中退。しかし、新劇は自身の性に合わず、2ヶ月で退所し、その後、東宝現代劇の第17期生となりました。

1973年には芸術座での舞台『湯葉』で初舞台を踏みます。その後も『喜和』などで若手女優として期待を集めましたが、様々な悩みを抱え、舞台への自信を失い、劇団を退団しました。

本格的なデビューは1974年、TBSのテレビドラマ『大岡越前』第4部です。当時のインタビューでは、「今はまだ必死で、監督の言う通りに動くだけですが、将来は内面的な芝居ができるようになりたいです」と語っており、女優としての強い意志と向上心を感じさせます。

1975年3月には星野事務所に移籍。同年放送されたNHKのテレビドラマ『新・坊っちゃん』では、ギランバレー症候群で降板した大原麗子の代役としてマドンナ役を演じ、一躍注目を集めます。大原麗子の急な降板という状況下、スケジュールが埋まっているベテラン女優の中で、オーディションを経て抜擢された逸材だったのです。

この作品以降、『火の国に』（NHK）、『嫁だいこん』（フジテレビ）など数々のテレビドラマに出演し、清純派女優としての地位を確立。一方で、『真夜中のヒーロー』（1980年）などでは、薄幸な女性や悪女役など、幅広い役柄に挑戦し、その演技力の高さを示しました。

映画デビューは1978年の『正午なり』。その後も『蘇える金狼』（1979年、角川映画）などに出演し、映画界でも存在感を示しました。

学生時代には陸上競技（短距離走）やバレーボールに打ち込み、特技は手話、乗馬、茶道と多才な一面も持ち合わせています。

出産を機に10年間芸能活動を休止しましたが、2000年に活動を再開。しかし、2016年以降は再び表舞台から遠ざかっています。

テレビドラマ出演作品

結城しのぶは、NHK、NTV、TBS、CX、NET（現・テレビ朝日）、テレビ東京など、様々なテレビ局のドラマに出演し、数多くの作品で印象的な演技を見せてきました。代表的な作品としては、NHK大河ドラマ『草燃える』（1979年）、『元禄繚乱』（1999年）や、

『新・坊っちゃん』（NHK）
『火の国に』（NHK）
『嫁だいこん』（フジテレビ）
『太陽にほえろ!』（NTV）
『大岡越前』（TBS）
『Gメン'75』（TBS）
『必殺シリーズ』（ABC）
『特捜最前線』（ANB）
『土曜ワイド劇場』（ANB）
『水戸黄門』（TBS）
『銭形平次』（CX）
『大江戸捜査網』（TX）

などが挙げられます。時代劇から現代劇まで、幅広いジャンルの作品に出演し、それぞれの役柄を見事に演じ分けてきました。

映画出演作品

映画作品では、『正午なり』（1978年）、『蘇える金狼』（1979年）、『天使を誘惑』（1979年）、『ミスターどん兵衛』（1980年）、『菩提樹 リンデンバウム』（1988年）、『惚れたらあかん 代紋の掟』（1999年）、『新・雪国』（2002年）、『呪怨』（2003年）などに出演。

ディスコグラフィー

シングル「だけど奥飛騨いきどまり」「天井川」やオリジナルアルバム「未知案内」もリリースしています。

著書

『明るい母子家庭宣言－ステキに過保護したい』（2001年、冬青社）を出版しています。

結城しのぶは、長年にわたり、テレビドラマ、映画、舞台と幅広い活躍を見せてきた実力派女優です。その多彩な演技力と魅力は、多くの視聴者・観客の心に深く刻まれています。

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