統一民主戦線 (マラウイ)

統一民主戦線（UDF）

統一民主戦線（United Democratic Front、UDF）は、マラウイにおける自由主義を標榜する政党です。主に南部州に居住するヤオ族からの強力な支持を基盤としています。1994年から2009年までの期間、自由主義インターナショナルに加盟していました。

歴史的背景

1966年以降、マラウイはヘイスティングズ・カムズ・バンダが率いるマラウイ会議党による一党制政治が続いていました。この体制下では、他の政党を結成することは法的に禁じられていました。しかし、1990年代初頭になると、国内外からの批判が高まり、1993年には複数政党制への移行の是非を問う国民投票を実施することが決定されました。1992年10月からは、政党としての活動が公に認められるようになり、この時期に統一民主戦線と民主同盟が公式に設立されました。ただし、両党とも1991年末頃から非公式な活動を行っていたことが知られています。

1993年の国民投票で複数政党制への移行が決定された後、1994年には初の自由選挙が実施され、統一民主戦線が圧勝しました。これにより、統一民主戦線の議長であったバキリ・ムルジが大統領に就任しました。

近年の動向

2004年5月20日に行われた普通選挙では、統一民主戦線は大統領候補としてビング・ワ・ムタリカを擁立し、総投票数の35.9%を獲得してムタリカを大統領の座に就かせました。また、国民議会では194議席中49議席を獲得しました。

しかし、ムルジの後を継いで大統領となったムタリカは、党やムルジとの間で多くの意見の相違が生じた結果、2005年2月に統一民主戦線を離党し、新たに民主進歩党を設立しました。

2008年5月24日には、党員の代表者2000人が参加した統一民主戦線の党大会が開催され、ムルジが2009年の大統領選挙における大統領候補として選出されました。この選出には、ムルジの大統領候補としての資格に対する疑問の声も上がっていましたが、大会での投票では、ムルジが1950票を獲得したのに対し、副党首であったカッシム・チルンパは38票にとどまりました。

統一民主戦線は、マラウイの政治史において重要な役割を果たし、複数政党制への移行と民主主義の発展に貢献しました。しかし、党内の分裂や指導者の離脱など、多くの課題も抱えています。今後の動向が注目されます。

もう一度検索