統一社会党 (韓国)

韓国統一社会党：民主社会主義の軌跡と挫折

統一社会党（略称：統社党）は、1960年代から1970年代にかけて韓国で活動した民主社会主義政党です。その歴史は、韓国の激動期と深く結びついており、民主主義と社会主義運動の複雑な展開を反映しています。

誕生と最初の挫折: 1960年7月の総選挙では、進歩主義政党は保守勢力に大敗を喫しました。その後、進歩主義勢力内の中道右派グループが結集し、1961年1月21日、統一社会党が誕生しました。しかし、その活動は長く続きませんでした。5月に発生した5・16軍事クーデターによって、統一社会党は活動を停止せざるを得なくなりました。

再建と活動: その後、1965年6月に日本から帰国した金哲の尽力により、1967年4月に統一社会党は再建されました。しかし、1972年10月17日の「十月維新」による政治体制の変化は、統一社会党に大きな打撃を与えました。改正政党法と新国会議員選挙法の施行により、政党設立要件が厳格化されたのです。党員増加の困難などから、統一社会党は一時、政党登録を取り消されました。1974年1月に政党登録をやり直しましたが、朴正煕政権下の政治的弾圧の中で活動は制限されていました。

終焉とその後: 1979年10月26日、朴正煕大統領が暗殺されると、翌1980年に公布された第五共和国憲法の附則により、統一社会党はついに解散を余儀なくされました。これは、韓国の民主化への道のりにおける重要な出来事の一つです。統一社会党の活動は、韓国の民主化運動に間接的に影響を与えました。そして、その一部の勢力は、1981年1月に民主社会党（民社党）を結成し、政治活動を継続することとなります。

国際的なつながり: 統一社会党は、国際的な社会主義運動ともつながりを持っていました。社会主義インターナショナルに加盟し、国際会議にも参加していました。例えば、1977年12月に東京で開催されたインター首脳会議には、金哲が統一社会党代表として参加しています。このことは、統一社会党が韓国国内にとどまらず、国際的な視野を持っていたことを示しています。

歴史的意義: 統一社会党の歴史は、韓国の民主化と社会主義運動の複雑で困難な道のりを象徴しています。5・16軍事クーデターや「十月維新」といった出来事は、統一社会党の活動に大きな影響を与え、その存続を困難にしました。しかし、その活動は、韓国の民主化運動に貢献し、後の民主社会党などの政党の礎となりました。統一社会党の歴史を研究することは、韓国現代史を理解する上で欠かせない要素と言えます。

参考文献:
尹景徹『分断後の韓国政治 : 一九四五〜一九八六年』木鐸社、1986年11月30日。
金容権編著『朝鮮韓国近現代史』日本評論社
* 朝日新聞縮刷版1977年12月号772頁

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