絶影島問題

絶影島問題について

絶影島問題は、1898年に発生した大韓帝国とロシア帝国との間の緊張を生じさせた歴史的な事件です。この問題は、ロシア帝国が釜山南方にある絶影島に対して貯炭庫を設置しようとしたことから発生しました。この動きは、日本帝国との領有権や影響力を巡る争いに深く関連しています。

経緯と背景

日本は、1886年から1891年にかけて、韓国に対して絶影島や月尾島の地所借入約書を結び、これらの島々に貯炭庫を設ける計画を進めていました。一方で、ロシアの公使カール・イバノビッチ・ヴェーバーは、1889年に元山と絶影島に貯炭所を設置しようとしましたが、朝鮮と清国の反対に遭い、成功しませんでした。

しかし、1897年10月にロシアは駐韓公使シュペイエルを通じて、絶影島の占有を目指して新たな動きを見せました。1898年1月21日、ロシアの軍艦が釜山港に入港し、絶影島の日本人所有地に無断で苗木を植え込み、貯炭庫の設置を試みます。この計画は、当時の大韓帝国の外務大臣であった閔種黙の独断によって許可されたものでした。

その後、3月にはロシアにより露韓銀行が漢城府に設立され、ロシアの影響力は一層強まります。これに対抗する動きとして、朝鮮における独立運動を掲げる独立協会が1898年2月に反露闘争を展開しました。彼らは韓国政府にロシア人の軍事教官や財政顧問の除去を求め、街頭大衆集会を開催して支持を集めました。

反発とその後の展開

独立協会の活動は効果を上げ、最終的に韓国政府はシュペイエル公使に対しロシア人軍事教官と財政顧問の継続雇用をしないとの通告を行います。これに伴い、ロシア人の教官や顧問は帰国し、露韓銀行も閉鎖に追い込まれました。

その後、1900年3月にはロシア公使アレクサンドル・パヴロフが韓国政府と馬山浦地所の租借に関する約書を結びますが、日本人が先回りして土地を買収したため、この計画も頓挫します。さらに、韓国内でロシアが巨済島を目指しているとの噂が立ったため、ロシアは韓国と巨済島に関する不租借条約を結び、自らの意図を明確にしました。

結論

絶影島問題は、韓国の独立運動の発端となり、日本とロシアが中国を含む朝鮮半島の地政学的状況を巡る争いを織り成していく中で、重要な歴史的事件として位置づけられます。この事件は、後の植民地化の過程において大きな影響を持ち続けました。

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