独立協会

独立協会の歴史

独立協会（どくりつきょうかい）は、1896年から1898年まで存在した李氏朝鮮の開化派運動団体です。この組織は甲申政変に参加した徐載弼と李完用によって設立され、朝鮮における立憲君主制の導入を目指しました。独立協会の活動は、当時の朝鮮において非常に重要な意味を持ちました。ロシア公使アレクセイ・シュペイエルが述べたように、アメリカの宣教師がこの協会の活動を支援していたとの意見もあります。

設立背景と目的

当時の李氏朝鮮は清の従属国から解放されたものの、ロシアの影響力が増大していました。この状況に憂いを抱いた徐載弼は、1896年に独立協会を設立し、自主独立と開化思想を広めることに努めました。その活動の一環として、協会は4月から独立新聞を発行し、民衆に対して啓蒙活動を行いました。このような動きは、仁州における博文協会、賛襄会、保民協会、皇国中央総商会といった他の組織の誕生を促しました。

政治への影響

独立協会はロシア公使館に逃げていた高宗に対し、王宮に戻るようにアドバイスを提供しました。結果、高宗は王宮に戻り、朝鮮の初代皇帝として即位することになります。この出来事は、国名を大韓帝国に改め、自主独立を国際社会に宣言する重要な瞬間となりました。

また、独立協会は日清戦争による清の敗北を機に、1897年に独立門を設立しました。これは独立の証として民衆に祝われ、開化思想を広めるきっかけともなりました。

討論会と民主主義思想

1897年8月からは、公開討論会（万民共同会）が毎週開催され、政府の外交政策やロシアに対する姿勢が批判されました。この議論の中で、国家改革の必要性が強く認識され、近代的な民主主義思想が育まれる基盤となりました。李完用、李采淵、李承晩など、当時の著名な政治家たちもこの討論会に参加しました。

解散とその後

大韓帝国が成立した後、独立協会は議会に多くの議員を送りましたが保守勢力との対立が続きました。高宗は改革を試みた朴定陽内閣を排除し、復古主義的な政策をとります。独立協会は「共和制に移行しようとしている」という噂により弾圧され、1898年に政府によって解散を命じられました。その後は一進会などによって活動が引き継がれました。

歴代の会長

独立協会の歴代会長には安駉寿、李完用、尹致昊が名を連ねています。彼らのリーダーシップのもと、協会は短期間でありながらも大きな影響力を持つ組織となり、朝鮮の近代化に寄与しました。

関連する項目としては、露館播遷や迎恩門があります。独立協会の活動は、近代朝鮮におけるナショナリズムとそのシンボルの機能に深く関与していました。

もう一度検索