絹巻神社

絹巻神社

絹巻神社は、兵庫県豊岡市気比に鎮座する神社です。式内社であり、名神大社である海神社に比定されています。また、但馬五社の一社としても知られ、地元の人々からは「絹巻さん」の名で親しまれています。

概要

絹巻神社は、但馬国における名神大社十社の一つに数えられた古社です。主祭神である天火明命（アメノホアカリノミコト）は、太陽の光や熱を神格化した神であり、『古事記伝』では「ホアカリ」は「穂赤熟」であると解釈されています。これは、稲穂が熟して赤くなる様子を表しており、天火明命が稲に関係のある神であることを示唆しています。そのため、太陽神、農業神として信仰されています。また、丹後国一宮である籠神社（宮津市）とは同一神とされ、籠神社では主祭神を「天照国照彦火明命（アマテルクニテルヒコホアカリノミコト）」としています。

祭神

主祭神

天火明命（あまのほあかりのみこと）

配祀神

海部直命（あまのあたえのみこと）
天衣織女命（あまのおりひめのみこと）

文化財

雷神社本殿（県指定文化財）

歴史

「絹巻神社縁起」によると、祭神は以下の通りです。

上座：建田背命
中座：天照国照彦天火明櫛玉饒速日命
下座：玉櫛姫命

『国司文書　但馬神社系譜伝』には、田結郷の海神社が城崎郡絹巻山に鎮座していると記されています。祭神は以下の通りです。

上座：海童神（小田井県に坐す海童神を遷宮）
中座：住吉神（神倉山に坐す住吉神を遷宮）
下座：海部直、亦名 大海部彦命、海部姫命、亦名 大海部姫命

また、一説には櫛日方命・玉櫛姫命ともされています。

黄沼前郡司（西刀宿祢）は、大巳貴命・海童神・船魂神を勧請して祀り、神人を置いて気比義麿に奉仕させたとされています。

『続日本後紀』承和9年（842年）10月15日条には、但馬国の気多郡の山神、雷神、戸神、蜀椒神、城埼郡の海神の五社が、官社に預けられたと記録されています。

『日本三代実録』貞観10年（868年）12月27日条には、但馬国の出石神、粟鹿神が正五位下、山神、戸神、雷神、[木蜀]椒神、海神が従五位上を授けられたと記録されています。

『延喜式』には、但馬国の名神祭として、粟鹿神社、夜夫神社、伊豆志神社、山神社、戸神社、雷神社、[木蜀]椒神社、海神社の名前が記されています。

後醍醐天皇は、「仰ぎ見よ　小田井の森にあとたれて　恵みも深き和多津美の神」という御歌を詠まれました。また、五社随一の絹巻大明神の御詠歌として「瀬戸を切り　つるぎはむねにとどまりて　神さびにけり　気比の宮代」という歌があります。

摂末社

稲荷神社

祭事

例祭：4月28日

所在地情報

所在地：兵庫県豊岡市気比字絹巻2585番地1

交通アクセス

バス：
JR山陰本線城崎温泉駅から、小島バス停（イナカー気比三原線・全但バス日和山線）下車、徒歩で瀬戸大橋を渡り450m、約5分。
道路：
兵庫県道3号豊岡瀬戸線を城崎温泉から2.7キロメートル、約5分。

周辺情報

城崎マリンワールド
城崎温泉

脚注

注釈

参照

関連項目

但馬国の式内社一覧

外部リンク

* 絹巻神社（兵庫県神社庁）

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