続・社長繁盛記

『続・社長繁盛記』：社長シリーズの金字塔、そして新たな時代の幕開け

1968年2月24日、東宝系で公開された『続・社長繁盛記』。この作品は、日本[[映画]]史に燦然と輝く『社長シリーズ』の第29作目であり、シリーズの中でも特筆すべき作品と言えるでしょう。カラー、シネマスコープという当時最新の技術を駆使し、前作同様、名古屋から明治村、そして高松へと至る広大なロケーションを舞台に、物語は展開していきます。

豪華キャストとスタッフが織りなす人間ドラマ

主演を務めるのは、国民的俳優・森繁久彌。高山圭太郎社長役として、その温かくも力強い演技で、作品全体を支えています。彼を取り巻く個性豊かな登場人物たちも、魅力的な俳優陣によって生き生きと描かれています。久慈あさみ、松本めぐみ、池戸良子といった女優陣が演じる高山家の女性陣や、加東大介、小林桂樹といった実力派俳優たちが演じる周囲の人物たちは、社長一家と複雑に絡み合い、物語に深みを与えています。

特に注目すべきは、本作が黒沢年男、酒井和歌子、谷啓の3人にとって、シリーズ最後となった作品だということです。黒沢と酒井は、後に『昭和ひとけた社長対ふたけた社員』でシリーズに復帰しますが、本作での彼らの出演は、ある意味で一つの区切りであり、シリーズの歴史における重要な転換点となっています。

スタッフの技と情熱

本作を支えたのは、豪華なスタッフ陣の技術と情熱です。藤本真澄による製作、笠原良三の脚本、そして松林宗恵監督の手腕は、まさに『社長シリーズ』の伝統を受け継ぎ、さらに進化させたものと言えるでしょう。長谷川清、上田寛による撮影、西川善男の録音、石井長四郎の照明、宮川泰の音楽、岩下広一の編集など、各部門のベテランスタッフがその技を結集し、完成度の高い作品を作り上げています。さらに、名古屋鉄道、香川県、高松市、奥道後国際観光といった協賛企業・団体の協力も、本作のスケールの大きさを物語っています。

地方ロケの意義

本作は、前作に引き続き、名古屋、明治村、高松と、広範囲にわたる地方ロケを敢行しています。この地方ロケは、単なる背景描写にとどまらず、物語に奥行きとリアリティを与え、日本の地方の活気と美しさをスクリーンに映し出しています。明治村のレトロな風景や、高松の自然豊かな景色は、作品全体の雰囲気を大きく左右し、観る者の心を掴む要素となっています。

同時上映作品と時代背景

本作と同時上映されたのは、新藤兼人監督、中村吉右衛門主演の『藪の中の黒猫』です。この2作品が、1968年の日本の映画界を代表する作品として、同じ劇場で上映されたことは、当時の観客にとって特別な体験だったのではないでしょうか。

結論

『続・社長繁盛記』は、『社長シリーズ』の中でも特に人気が高く、多くの視聴者から愛されている作品です。豪華なキャスト、スタッフ、そして広大なロケーションを活かした映像美、そして時代を反映した人間ドラマは、現在観ても色褪せることがありません。シリーズの転換期を象徴する作品として、日本の映画史にその名を刻む、重要な作品です。 参考文献として挙げられている「演技者 小林桂樹の全仕事」からも、本作の価値や当時の状況を伺い知ることができます。IMDb、allcinema、KINENOTEといったデータベースからも、本作に関する更なる情報を得ることができます。

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