綱木川ダム

綱木川ダムについて

綱木川ダム（つなきがわダム）は、山形県米沢市に所在し、一級水系の最上川水系に属する、鬼面川の右支川大樽川の小左支川に位置しています。このダムは、地域の水防災や水資源の管理を目的として建設されました。

沿革

米沢盆地は、最上川を中心に鬼面川、羽黒川、置賜白川が合流する地域であり、豪雨時には水害のリスクが高くなる地域です。歴史的に見ても、米沢藩政時代から治水対策が試みられ、直江兼続による築堤事業も行われました。しかし、水害は継続的な問題であり、1967年8月の羽越豪雨では甚大な被害が発生しました。この際、建設省（現・国土交通省）は置賜白川に白川ダムを建設し、徐々に水害リスクが軽減されていきました。

しかし、その後も米沢市周辺での人口増加は続き、住宅地の拡大が治水安全度を低下させました。堤防建設に必要な用地の確保が困難になる中、上水道の需要も増加し、新たな水源の確保が課題となりました。1975年に完成した水窪ダムでは一時的に需要に応えましたが、さらなる供給を必要とする事態が続きました。

この影響を受け、山形県は鬼面川流域にダムを新たに建設する方針を打ち出し、調査の結果、綱木川に適地が見つかりました。これが綱木川ダムの計画の始まりでした。

ダム建設の目的

綱木川ダムは「鬼面川総合開発事業」の中心プロジェクトとして、1979年から予備調査を開始しました。その後、1984年に正式に建設事業がスタートし、補償交渉を経て2006年に本体工事が完成しました。ダムの供用は2007年6月から開始されています。

このダムは、堤高74メートルの中央土質遮水壁型ロックフィルダムであり、主に以下の目的を持っています：
1. 洪水を調節し、地域を水害から守ること。
2. 農業用水の供給量を確保し、地域の農業を支えること。
3. 河川の生態系を保全し、流域の水環境を維持すること。
4. 米沢市、南陽市、東置賜郡（川西町・高畠町）への上水道供給を行うこと。
5. 材料の管理用水を用いて水力発電を行うこと。

このダムの発電能力は450kWです。

おしょうしな湖

ダムによって形成された湖は一般からの応募を受け、「おしょうしな湖」と名付けられました。「おしょうしな」はこの地域の方言で、感謝の意を表す言葉です。この湖は自然の恵みと水資源に感謝する思いが込められています。

ダムの稼働に向けて、試験湛水が行われ、湖水位を調整しながらダム本体や周囲の地質を確認しました。ダムの下流には橋が架かっており、ダムの姿を正面から見ることができる珍しい構造になっています。

まとめ

綱木川ダムは、米沢市周辺地域における水害防止や水資源の安定供給に大いに貢献している重要なインフラです。地域の発展に寄与し続けるダムの存在は、今後も水と共存する社会を構築する上で欠かせないでしょう。

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