綿井健陽

綿井健陽

綿井健陽（1971年 - ）は、日本のフリージャーナリスト、映画監督であり、アジアプレス・インターナショナルに所属しています。

人物

綿井氏は、主に戦争被害や人権といったテーマに取り組み、その報道活動で数々の賞を受賞しています。イラク戦争の報道では、「ロカルノ国際映画祭」人権部門最優秀賞を受賞した他、ボーン・上田記念国際記者賞特別賞、ギャラクシー賞報道活動部門大賞、JCJ（日本ジャーナリスト会議）賞大賞などを受賞しています。彼は日本ビジュアル・ジャーナリスト協会、アジアプレス・インターナショナル、アジア記者クラブの会員でもあります。大阪府出身。

略歴

日本大学芸術学部を卒業後、大手新聞社への就職は叶わず、本田技研工業埼玉製作所狭山工場で期間工として資金を貯め、1997年からフリージャーナリストとしての活動を開始しました。これまでに、スリランカ民族紛争、パプアニューギニア津波被害、スーダン飢餓、東ティモール独立紛争、インドネシア紛争、アフガニスタン侵攻、イラク戦争、光市母子殺害事件など、国内外の様々な問題を取材しています。

イラク戦争

特に、米軍によるイラク侵攻の際には、多くの大手メディアが撤退する中で、現地からの報道を続けました。「ニュースステーション」や「NEWS23」などの番組でレポートを行い、2003年から2005年にかけて何度も現地を取材しています。イラクでの取材をまとめたドキュメンタリー映画「Little Birds～イラク 戦火の家族たち」を制作し、日本と米国で公開。この映画は、「ロカルノ国際映画祭」人権部門で最優秀賞を受賞しました。

著書

『リトルバーズ 戦火のバグダッドから』（晶文社、2005年）

共著

『アジアの傷 アジアの癒し』（風媒社、2000年）
『「イラク戦争」 検証と展望 』（岩波書店、2003年）
『ジャーナリズムの条件2 報道不信の構造』（岩波書店、2005年）
『フォトジャーナリスト13人の眼』（集英社新書、2005年）
『光市事件裁判を考える』（現代人文社、2008年）

出演

テレビ

『課外授業 ようこそ先輩』
『NEWS23』
『ニュースステーション』
『報道ステーション』

ネット番組

『ポリタスTV』（YouTube、2022年4月14日）

映画作品

『Little Birds -イラク戦火の家族たち-』
『311』（森達也、松林要樹、安岡卓治と共同監督）
『イラク チグリスに浮かぶ平和』(2014)

綿井健陽は、そのジャーナリストとしての活動を通じて、紛争や人権侵害の現状を伝え、社会に警鐘を鳴らし続けています。彼の視点は、私たちが忘れがちな問題に光を当て、深く考えさせられるきっかけを与えてくれます。

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