総務局 (琉球政府)

琉球政府における総務局は、内政全般を所管する重要な行政事務部局でした。しかし、その歴史の中で、組織や所掌事務は変遷を遂げています。ここでは、発足当初の総務局と、後に内務局が改称された後期の総務局について、詳しく解説します。

発足当初の総務局

1952年4月1日に発足した当初の総務局は、外局や支分部局を持たないシンプルな組織構成でした。

組織

内部部局として、以下の4つの課で構成されていました。

庶務課
行政課
労務課
移民課

また、附属機関として、以下の2つが設置されていました。

企業免許事務所
労務事務所

後期の総務局

1965年8月1日の機構改革で内務局が改称され、新たな総務局が誕生しました。この後期の総務局は、所掌事務が大幅に拡大し、組織も複雑化しています。

所掌事務

後期の総務局は、多岐にわたる事務を所管していました。主なものは以下の通りです。

秘書、儀式及び褒賞に関すること
行政各部の事務の調整に関すること
渉外に関すること
法令の公布及び文書に関すること
広報及び公聴に関すること
行政管理、行政監察及び行政苦情のあっせんに関すること
職員の人事及び福利厚生に関すること
市町村の行政及び財務に関すること
選挙制度に関すること
行政書士に関すること
政府有財産、所有者不明土地及び物品に関すること
支出に関すること
局長会議に関すること
東京事務所に関すること
支庁との連絡調整に関すること
消防及び防災に関すること
公害、青少年及び交通の問題についての総合計画及び調整等に関すること
法令案の審議に関すること
法制意見の供与に関すること
その他他局の所掌に属さない事務に関すること

組織

後期の総務局は、以下の組織で構成されていました。

局長直属
総務課
渉外広報部
渉外課
文書課
広報課
行政部
行政管理課
行政監察課
人事課
職員厚生課
地方課
財務部
用度課
管財課
出納課
総合対策室
法制室

外局として中央選挙管理委員会が、附属機関として東京事務所と公務員研修所が設置されました。

まとめ

総務局は、琉球政府において重要な役割を担った行政機関であり、その機能は時代とともに変化しました。発足当初はシンプルな組織でしたが、後に内務局が改称されて以降、所掌事務の拡大とともに組織も複雑化しました。この変遷は、琉球政府の行政機構の変遷を理解する上で重要な要素となります。

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。NDLJP:9775065。

関連項目

琉球政府
行政主席

外部リンク

沖縄県公文書館

もう一度検索