総武都市開発

総武都市開発株式会社の概要と歴史

総武都市開発株式会社は、かつて東京都に拠点を置いていたゴルフ場運営会社でした。この企業は、平和相互銀行の創業家である小宮山ファミリーの一つの企業であり、特に太平洋クラブと密接に関わりがありました。総武都市開発は、ゴルフ場事業の中心として重要な役割を果たしていました。

具体的には、千葉県印西市にある「総武カントリークラブ」や茨城県筑西市に位置する「スプリングフィルズゴルフクラブ」といった名門コースを経営していました。特に「総武カントリークラブ」は、サントリーオープンの開催地としても知られ、チャンピオンコースとしての名声を持っていました。

経営破綻と再建

しかし、事業は順調ではなく、2007年4月3日には東京地方裁判所に対して民事再生法の適用を申し立てることとなります。その時、同社の負債額は約386億円に達し、関連子会社である軽井沢森泉ゴルフクラブを含めると、総負債額は約539億円にも上っていました。

この申請に対して、反対する会員が会社更生法による手続きの開始を求めましたが、最終的には再生計画が承認され、裁判所によって認可されることとなりました。そして、パシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングスの子会社であるパシフィックゴルフプロパティーズ株式会社が再生スポンサーとなり、事業再建が進められました。

2008年6月2日、総武都市開発は会社分割を実施し、ゴルフ事業を新設した「総武カントリークラブ株式会社」に移管しました。この新会社の株式は、パシフィックゴルフプロパティーズに譲渡され、ゴルフ場の運営はパシフィックゴルフマネジメント（PGM）が担当することとなりました。

その後、総武都市開発株式会社は債権者に対する配当を実施し、2008年12月には清算を完了して解散という形に至りました。

子会社の状況

総武都市開発株式会社の子会社には、次の二社が存在しました。1つ目は「株式会社軽井沢森泉ゴルフクラブ」で、これは長野県北佐久郡御代田町に位置するゴルフクラブを運営していました。経営破綻後、リゾートトラストグループがスポンサーとなり、名称は2008年に「グランディ軽井沢ゴルフクラブ」に変更されました。

もう1つは「総武流山電鉄株式会社」です。千葉県内において鉄道路線「総武流山線」を経営していましたが、総武都市開発の倒産後の2008年8月1日に「流鉄株式会社」と社名を変更し、経営する路線名も「流山線」に改称されました。

まとめ

総武都市開発株式会社は、かつて華やかなゴルフ場業界で存在感を示していましたが、経営破綻を経験し、大きな変革を余儀なくされました。この経緯は日本の企業再生の一端を象徴するものとも言え、ゴルフ業界の変化や経済の波を映し出す事例として、今でも多くの人々に語り継がれています。

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