総理の夫

総理の夫 (First Gentleman)

原田マハによって書かれた小説で、月刊ジェイ・ノベルで2011年4月号から2013年4月号まで連載されました。単行本の挿絵は漫画家のみづき水脈が担当しています。

概要

この作品は、著者の政治に対する理想や社会への皮肉が込められています。文庫版の初版には安倍昭恵氏、映画上映に合わせた新版には国谷裕子氏による解説が掲載されています。

あらすじ

物語は、少数野党の党首である相馬凛子が、改革派議員の原久郎と連立政権を樹立し、史上初の女性総理大臣に指名されるところから始まります。凛子の夫である鳥類学者の相馬日和は、妻の総理就任を応援するつもりでしたが、政権を安定させるためのプロジェクトチームによって、「理想の夫」を体現する〈ファースト・ジェントルマン〉として広報活動に駆り出されることになります。

物語は、凛子が総理に指名された日から日和が書き始めた日記という形式で、彼の奮闘の日々が描かれています。

主な登場人物

相馬 日和（そうま ひより）:
主人公。凛子の夫で、善田鳥類研究所に勤務する鳥類学者。タンチョウヅルなど希少鳥類の生存と回復を研究しています。妻が総理大臣になった日から日記をつけ始めます。コンラート・ローレンツ博士を敬愛し、『ソロモンの指輪』を愛読しています。東京大学大学院卒で、実家は「相馬一族」という財閥です。

相馬 凛子（そうま りんこ）:
第111代内閣総理大臣。直進党党首。史上最年少で初の女性総理大臣として、消費税増税や脱原発などの政策に取り組みます。東京大学法学部、ハーバード大学大学院卒。以前は政策シンクタンクの研究員でした。「そ〜りん」という愛称で親しまれ、多くの支持者から人気を集めています。

相馬 崇子（そうま たかこ）:
日和の母。「音羽の奥様」と呼ばれています。日和を溺愛しており、自己中心的な性格です。

相馬 多和（そうま たより）:
日和の兄。「ソウマグローバル」のCEOを務めています。

島崎 虎山（しまざき こざん）:
凛子の政策秘書。後に衆議院議員となります。

原 久郎（はら くろう）:
民心党党首。連立政権を樹立し、凛子を総理に担ぎ上げました。モデルは小沢一郎と言われています。

映画

2021年には、田中圭と中谷美紀が主演で映画化されました。監督は河合勇人。映画公開後には、クレヨンしんちゃんに田中圭と中谷美紀が声優として出演しました。

キャスト

相馬日和：田中圭
相馬凛子：中谷美紀
富士宮あやか：貫地谷しほり
原久郎：岸部一徳

スタッフ

原作：原田マハ
監督：河合勇人
脚本：松田沙也、杉原憲明
音楽：富貴晴美

関連情報

小説は実業之日[[本社]]から文庫版が発売されており、映画のDVD/Blu-rayも販売されています。

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