総理大臣官邸原子力災害専門家グループ

原子力災害専門家グループについて

原子力災害専門家グループは、2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故を受け、内閣総理大臣官邸に対して専門的な助言を行うために設置された外部の専門家集団です。このグループは、事故直後から被災者の安全確保、被曝に関する医療、健康管理、そして放射性物質の人体への影響など、多岐にわたる問題について助言を行ってきました。

活動内容

主な助言内容は以下の通りです。

被災者の避難と受け入れ: 避難計画の策定、避難経路の安全確保、避難者の受け入れ体制などに関する助言を行いました。
被曝医療と健康管理: 被曝した人々の長期的な医療計画、健康管理体制の構築、放射線による健康影響に関する調査研究について助言を行いました。
放射性物質の影響: 放射性物質の人体への影響全般、環境への影響、汚染除去の方法などについて、専門的な知見を提供しました。

原子力災害専門家グループは、2011年4月1日に第1回会合を開催して以来、2015年6月9日までに82回もの会合を重ね、その都度、専門的な見地から政府の対応をサポートしました。

構成メンバー

原子力災害専門家グループは、以下の8名の専門家によって構成されています（五十音順）。

遠藤啓吾: 京都医療科学大学学長、群馬大学名誉教授。医学放射線学の専門家として、放射線の人体影響に関する知見を提供。
神谷研二: 福島県立医科大学副学長、広島大学原爆放射線医科学研究所長。放射線医学、特に被爆者の医療に精通。
児玉和紀: 放射線影響研究所主席研究員。原子放射線の影響に関する国連科学委員会（UNSCEAR）国内対応委員会委員長も務め、放射線影響評価に関する国際的な知見を持つ。
酒井一夫: 放射線医学総合研究所放射線防護研究センター長。放射線防護の専門家として、放射線リスクに関する助言を行う。
佐々木康人: 元UNSCEAR議長、元ICRP主委員会委員、元放射線医学総合研究所理事長。国際的な放射線防護の専門家として、幅広い知見を有する。
長瀧重信: 長崎大学名誉教授、元放射線影響研究所理事長。被爆者の医療、放射線の人体影響に関する研究を長年行っており、国際被ばく医療協会の名誉会長も務める。
前川和彦: 東京大学名誉教授、放射線医学総合研究所緊急被ばく医療ネットワーク会議委員長。放射線事故医療の専門家として、緊急時における医療体制について助言を行う。
山下俊一: 福島県立医科大学副学長、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授。放射線医学の専門家として、福島県における放射線健康リスク管理に携わる。

関連情報

原子力災害専門家グループの活動は、以下の項目とも密接に関連しています。

福島第一原子力発電所事故の影響: グループの助言は、事故の影響を最小限に抑えるための政策決定に不可欠でした。
福島県放射線健康リスク管理アドバイザー: 一部の構成員は、福島県の放射線健康リスク管理にも携わり、県民の健康管理に貢献しています。

参考情報

首相官邸災害対策ページ 原子力災害専門家グループ: 首相官邸災害対策ページで、グループの活動に関する詳細な情報が公開されています。

原子力災害専門家グループは、福島第一原子力発電所事故からの復興と、国民の安全確保のために、今後もその専門性を活かした活動を続けることが期待されています。

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