放射線影響研究所

公益財団法人放射線影響研究所（放影研）について

公益財団法人放射線影響研究所（RERF）は、放射線が人体に与える影響を調査・研究する機関です。広島と長崎に研究所を構え、日本政府とアメリカ政府の共同で運営されています。前身は、原爆投下直後に設立された原爆傷害調査委員会（ABCC）で、被爆者の健康調査を長年行ってきました。

歴史

1975年、ABCCと厚生省国立予防衛生研究所の原子爆弾影響研究所が統合され、放射線影響研究所として新たに発足しました。設立当初から日米共同運営という形態をとり、研究成果は国際放射線防護委員会や国連科学委員会にも提出されています。公益法人制度改革に伴い、以前の厚生労働省・外務省所管の財団法人から公益財団法人へと移行しました。

研究内容

放影研は、長年にわたり原爆被爆者の追跡調査を継続し、放射線被曝と疾病との関連性を明らかにしてきました。しかし、福島第一原子力発電所事故以降、内部被曝に対する不安が高まる中で、外部被曝の研究データのみではその不安に応えられないという課題が浮上しました。

そこで放影研は、過去の業績と蓄積された資料を活用し、原爆被爆者だけでなく、一般の放射線による慢性的な影響に関する国際的な研究教育センターを目指すという新たな方針を打ち出しました。この『放射線影響研究所将来構想2012』では、低線量被曝や内部被曝のリスク解明を重点項目として掲げ、研究体制の強化を図っています。具体的には、国際的な組織へと発展させ、被爆者情報のデータベース化を進め、国内外の研究者と協力して、内部被曝のデータ収集を進めていくとしています。

研究所の所在地

現在の研究所所在地は以下の通りです。

広島研究所・事務局：広島県広島市南区比治山公園5番2号
長崎研究所：長崎県長崎市中川一丁目8番6号

広島研究所は、2025年度中に広島大学霞キャンパス（広島県広島市南区霞1丁目2番3号）へ移転することが決定しています。現在の広島研究所の建物は、DOCOMOMO JAPAN選定の日本におけるモダン・ムーブメントの建築にも選ばれています。

組織

放影研の理事長は、神谷研二氏が務めています。神谷氏は、広島大学名誉教授であり、元広島大学副学長、元広島大学原爆放射線医科学研究所教授・所長でもあります。

発行物

放影研の研究成果は、『放影研ニューズレター』などで公開されています。

関連情報

放影研の活動に関連する情報として、以下の項目が挙げられます。

比治山陸軍墓地（広島研究所の敷地内にあった施設）
日本への原子爆弾投下
放射線障害／原爆症
日本アイソトープ協会

外部リンク

公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
厚生労働省 健康局所管特例民法法人
* 外務省 外務省所管特例民法法人一覧

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