総角

総角（あげまき）とは

総角（あげまき）は、複数の意味を持つ言葉であり、それぞれの分野で異なる事象を指します。以下に、その主な意味を解説します。

1. 古代の髪型としての総角

総角は、古代から平安時代にかけての未成年男子に見られた髪型の一つで、みずら（美豆良）とも呼ばれます。これは、角髪（みずら）とも関連付けられ、当時の少年たちの髪型として特徴的なものでした。

2. 結び方としての総角

総角は、紐の結び方の一つでもあります。この結び方はあげまき結びとも呼ばれ、調度品や兜などの装飾に用いられました。装飾的な意味合いが強く、日本の伝統文化の中で重要な役割を果たしていました。

3. 二枚貝としての総角

アゲマキは、ナタマメガイ科に属する二枚貝の一種です。収斂という現象により、マテガイに似た外見を持つことが特徴です。日本においては、有明海などのごく限られた内湾の泥干潟に生息しています。地域によっては貴重な生物資源となっています。

4. 韓国語の「チョンガー」としての総角

総角は、韓国語で独身男性を意味するチョンガー（총각、chong-gag）の漢字表記でもあります。かつての朝鮮では、独身男性は辮髪に似た三つ編みのお下げ髪型をしており、結婚して初めて髷を結うことが許されました。そのため、「総角」という言葉は、もともと独身男性の髪型を意味していました。また、小ぶりで葉の多い大根を独身男性の髪型に見立てて、「チョンガー大根」と呼ぶこともあります。

5. 源氏物語の巻名としての総角

総角は、『源氏物語』の巻の一つでもあります。第47帖にあたり、第三部の一部である「宇治十帖」の第3帖として知られています。この巻では、登場人物たちの複雑な人間関係や物語の展開が描かれています。

このように、総角は多様な意味を持つ言葉であり、それぞれの分野で異なる事象を指します。古代の髪型から現代の生物学、文学まで、幅広い分野でその名を見ることができる興味深い言葉です。

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